最後に読んでもいいはじめに(by ピエール大瀧)
私はピエール大瀧。ネット上にはほとんど登場しない。都内近郊の超高級住宅街の瀟洒な一戸建てに住む独身貴族だ。以後よろしく。
さて、「ニッポンの少数民族(by 宝島社. 鮫肌文殊/山名宏和)」という本が売れている。“「手打ち蕎麦にハマってしまい自分で店を開いてしまった」族”“「コンビニの袋で出かける」族”といったマイノリティと思われる人たちを面白可笑しく解説したこの本、私も早速読んだが、内容はともかく、その発想は素晴らしい。差別を笑うのではなく、区別を笑うのだ。なにげに誰もが持つ無意識を笑うのだ。
私はこの本を読みながら、趣味のオーディオでも変わったことをしている奴いるよな〜なんて思っていた。“スピーカーケーブルの長さが左右違う奴”“部屋の半分をスピーカーで埋める奴”“ケーブルが機器より高い奴”等々。吉祥寺の御大えら島さんも言っているが、オーディオは常識との戦いである。スピーカーケーブルの長さが左右1m違ったところで音なんて変わるまい。が、普通はそれを許さぬ、君も、私もだ。
それをネタにしたら面白いではないか。
私はこの案をafuturaの管理人さんに持ちかけた。数多あるオーディオサイトの中でも彼が一番シャレと毒が効いているし、アクセス数も多い。優良株である。高値安定である。買いである。
面白いこと大好き人間の彼のこと、この提案にすぐに飛びついてくるかと思いきや、連絡は一行にない。そんな下世話な提案だったかと不安になったが、そうではないらしい。彼はアイディアが人任せというのが(しかも大元はオリジナル本のまんまだし)、気に入らないのだ。さすが仕切りたがりの管理人である。私は彼を諭した。「日記だって、アクセサリー紹介だって、投稿だって、新しいことはなにもない。afuは行間からにじみ出るアナタの人柄で保っているんです。それにエラソにならず、タブーに挑戦するというのはいいテーマではありませんか」。お世辞に彼は揺らいだ。そして複数回の交渉の末、承諾した。不都合があればすぐに止められるのがサイトの良さでもあるだろう。
それからは早い。流れとしては (1) 私がネタを捜す、(2) 文を書く、(3) ○崎さんが推敲し、(4) アップロードする、といった具合だ。ただし、私が暴言を吐いても○崎さんはそういう推敲はしないという。あくまでも私のつたない日本語チェックだけにするという。太っ腹だ。
最後までもめたのは「挿絵」だった。「ニッポンの少数民族」の面白さの半分は発想、もう半分は絵であり、文章の比重は多くない。絵は誰が描くのか。詳しい話は省くが、相当の押し付け合いの結果、○崎さんが絵を描くこととなった。彼は文章は15分で書けるが、絵は3日かかるという。まあいいではないか。そんなに頻回な更新があるわけでもないし。タイトルは「オーディオの少数民族」。オリジナルに敬意を払い、あえてそう名付けた。どうせパクリなんだから、わかりやすい方が良かろう。
最後に○崎さんの名言を載せておこう。この自虐な語り口がafuturaの隠れた人気だと思うからだ。
「オーディオをまじめにやっている時点で少数民族なんじゃないの?」 悲しいがその通りである。このコーナーはマイナー中のマイナーを探す作業でもあるのだ。
(2004/01/31)
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