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Audio日記 PAD編(2000/07/15〜2000/08/26) この期間の私のシステムは、スピーカー:AE2Signature、パワーアンプ:Ayre V1、プリアンプ:Ayre K1、DAC:WADIA15i、CDトランスポート:エソテリック P2S 、ボイシング・イコライザー:アキュフェーズ DG28です。
今回はPAD(Purist Audio Design)ケーブルの自宅試聴記です。
おはよう。
突然ですが、PAD(Purist Audio Design)、知ってるでしょ。あの液体ジャケットを纏ったアメリカのケーブルメーカーですよ。
アンケートをいただいても人気が高く、雑誌等の評判もよいので 興味はありました。ただ、国内定価がお高いんですよね。勿論 エントリークラスもあるわけですが、自分の性格上、無理して手が届く程度の価格帯ならばその最上クラスを見極めたい、ということもありなかなか機会に恵まれませんでした。
こんな書き方をすると、「買った」と思われるかもしれませんけど、買ってはいないんです。この度、ダイナミックオーディオ サウンドパーク・ダイナさんのご厚意で、お借りすることができたのです。PADの最高級クラス、デジタルドミナス(1m)1本、AC ドミナス(1m and 1.5m)各1本、なんと合計1,118,000円ですよ!
しかも届いたモノは使い回し品ではなく、代理店であるシーエス・フィールドから直送の新品でした。ちょっとビックリです。サウンドパーク・ダイナさんに私の個人データがあったのでしょうが、恐らく私の面識はないはず(100万円オーバーの品を預かるほど信用があったのか?)。後で感想をダイナのホームページに寄稿する必要があるとはいえ、太っ腹です。そうなんです。PAD試聴の話をさせていただいてから、我が家にモノが届くまでの時間が短く、なおビックリでしたよ。メールを出したのが7/9、届いたのが7/12ですからねえ。商売人かくあるべし、でしょうか。
ただ、こういうときに限って一週間も出張なんですよねえ。妻から電話で「大きな箱が届いている」といわれてから気になって気になって仕方がありませんでした。帰ってきたのは今日(7/15)なわけで、ケーブル達はまだ箱(写真)の中です・・・。
ホームページの更新もしていなかったので、先にこのメールを書いているわけですよ。液体ジャケットを纏っているという印象から、妙に重いケーブルを想像していましたが、箱がずいぶん軽いのに驚きました。1mだからでしょうか。
これから開封、エージング、そして試聴です。レンタル期間は3週間もありますので、しばらくはずいぶん楽しめそうです。
我が家の使用機器は定価は高いですが、中古や店頭品や個人売買で揃えたものが多いのです。ともすると機械本体よりも高くつく、このケーブル達、さてさて・・・その効果は如何に。では、追報をまて!
00/07/16「PAD来たる(その2)」
こんばんは。早速 PAD(Purist Audio Design)の続報だ。今回のこのシリーズ、長くなりそう(^^)。
そうそう、今 皆既月食中だよ。早速外を見るべし。見る見るうちに欠けて行くぞ。
開封してみましたよ、ケーブル。新品だということで、箱の中に 色々詰め物がしてあるのかと思ったら写真のようにホントにケーブルだけしか入っていませんでした(電源ケーブルには3P-2Pの変換プラグも入っています)。ずいぶん大ざっぱな詰め方の割に 宅配便は「易損品」扱いになっており、ちょっと笑えますね。シーエス・フィールドの注意書きにも「製品は大変精密なため、運送は取り扱いの丁寧な便でお願いします」とあります。おいおい、この内包でか? 宅配業者が泣きますね。(しかもなぜか宅配便の伝票には「重量30kg」の文字が・・・3箱合わせても実重5kgくらいだと思うのですが・・・)
見た目より軽い、と書きましたけど、太くそして柔らかいです。取り扱いは思ったよりも 楽そうですが、地面を這うACケーブルはいいとしてもデジタルドミナス1mでも1kg以上の重さがあります。RCAプラグへの負荷、ちょっと心配ですね。
太い 液体中入部分は円周104mmもあります。ということは直径約33mm! これは目立ちます。ケーブルがあるんだ、と主張したい向きにはピッタリです。
あと、PADは液体中入部分をその長さとして提示しているので、1mのデジタルドミナスは実測1.2m、1.5mのACドミナスは実測1.9mはあります(プラグ部分は除く)。わかりにくい長さ表示ですよね。なんで実測長提示にしないんでしょう。XLOのバーンインCDで約9時間のバーンインを行ってから試聴することとします。PADはエージングに時間がかかるらしいからです(メーカー推奨は150時間!)。ケーブルのバーンインというのはあまり信じていないのですが、こういうところは使い回し品の方がいいですね。手間が省けて。
でも、バーンインもそうですけど、新品の高額ケーブルの試聴はすんごい気を使います。こんなによじって大丈夫なのかとか、無理な引き回しをしているんじゃないかとか、うっかり液体ジャケットを踏んでビビるとか(^^)。最後のは冗談だとしても、一本30万円オーバーですからねえ。神経すり減ります。プラグのクリーニングしていいかどうか悩みましたもの。(小心者の私は結局液剤を塗るのは止めました。)
おっと、書いている間にほとんど月が欠けてしまったぞ。神秘的だねえ。
では、全然本題に入らないけれど、追報をまて!
00/07/17「PAD来たる(その3)」
おはよう。PAD(Purist Audio Design)の続報だ。迷惑でも送り続けてやる!
今世紀最後の皆既月食は途中から雲間に隠れてしまいました。メールを打ち、月食を眺めながら、清原のホームランを堪能する、忙しい夕べでしたね。試聴に際し、丁度ホームページ上で知り合った方が訪問して下さったんですよ。これはラッキーです。他人様の意見を参考にしちゃいましょう。
とりあえず、定電圧電源を使っていない、壁コンセント直結のデジタル系(CDトランスポート P2s、DAC Wadia15i、イコライザー CD28)の方が効きそうです。1.5mのACドミナスをタップUN-AC1Singleにつなぎましょう。タップに差したデジタル系のACケーブルを一斉に交換したような感触が味わえるでしょうか。
ACドミナスは柔らかくて使いやすいとはいえ、軽いタップを浮かすくらいの重さはあります。通常位置からずれまくりましたが、ジルコンサンドで重しをし、なんとか場所を固定。
比較対照はカルダスのGolden Power Cord(2m)、厚手の音が特徴です。お客さんの持っていらした 島田歌穂のユーミンの作品のカバー曲「翳りゆく部屋」で試聴。
鳴り出して、顔を見合わせました。良く言われるPADは「余韻が伸びる」というのがわかったような気がします。AyreのアンプとMark Levinsonのアンプを比較試聴したときのようです(勿論 ホールトーンの再現に優れていたのはLevinson。私が選んだのはAyreですけどね)。
私はスピーカー左寄りで聴いていたのですが、ヴォーカルの密度感が向上し、エコー感が大分豊かになっています。センターで聴いていたお客さんは定位のフォーカスイメージを維持することが容易になったのではないでしょうか。広がりがあるが芯もある、定位のイメージが広がった、というようなことをおっしゃっていました。(差はあるけど、月日が経ったら慣れちゃうんじゃないか、という指摘もありましたけどね。)
私は一瞬、音色が暗くなったかのような印象を持ちましたけど、そうではないみたいです。同じ音量でもカルダスよりもPADの方がうるさくない、刺激的でないのです。なんなんでしょうね、これは。
電源ケーブルを替えたところで、音を出すのはスピーカーなわけですから、この変化は不思議です。交流の微細な変化をこのアバウトなスピーカーという機械が追随する???
ま、理屈はさておき、とりあえず好印象なことは確か。海外定価は別として、高いなりのことはありますね。ケーブルの差がでにくい我が家で(私はこれはいいことだと思っています)この変化は異例でした。
エージングが進むのが楽しみですが、平日は出社しているわけで、その間のエージングは難しいですよね。この時期アンプの電源入れっぱなしは暑すぎます。これじゃあ PADの推奨する150時間のエージングが終わる頃、返却期限になっちゃうよ。どうする? アンプにも使ってみたいし、デジタルケーブルも試してみないとなあ。では、結論は長そうだけれど、追報をまて!
00/07/19「PAD来たる(その4)」
例によって出張に行っていたんですよ。
この季節、下着の替えは欠かせないので家から一式持って行くわけです。で、昨日ホテルで着替えようとしたら、インナーのシャツを間違えて持ってきたらしく、妻のちびたTシャツでやんの。背面が白かったので気付かなかったら正面は一面の派手な「おさかなさん」。・・・着れませんでした、さすがに。
しかもこういうときに限って、出がけの時間もなく、白い薄手のYシャツで、今年最高の暑さときたもんだ。外勤の汗で透ける私の乳首がセクシーなわけもなく、取引先の女性ファンを減らして帰ってきました。というわけで、おはよう。期間限定 週刊 PAD(Purist Audio Design)ニュースだよ。
エージングがやっぱり気になって、ACドミナスとデジタルドミナスをつないだP2sを回しっぱなしにして、2日間 出かけていました。これでもまだ48時間なわけですから、目標150時間は遠いねえ。
PADのシステムエンハンサーCDを使えばいいのかな。勧めてくれる人が多いのですが、効果あるんでしょうかね。手持ちのXLOのCDもそうですが、私はピーガーピーガーという音が耳に(あるいは脳に)エージングをかけるのではないかとの疑いが今ひとつ払拭できません。今日はあまり時間もないので、いつものディスクをかいつまんで聴いてみましょうか。
デジタル系への供給に使っているタップ UN-AC1SingleにつないだACドミナス(1.5m)のみを残し、後はいつものケーブルに戻しました。
試聴ディスクは古内東子「TOKO best selection」から(2)誰よりも好きなのに、(6)うそつき、(9)逢いたいから、(14)星空、をチョイス。思えばPADをつないでから初めてスピーカー中央で(きちんと)自分のソフトを聴きました。
音楽が流れ出したとたん、「えっ、今まで聴いていたのは一体何だったんだ・・・」といった衝撃を・・・受けませんでした(^^)。ああ、よかった。これで根底が覆るようなら、それこそ「今までは・・・」ということになりますもんね。システムが自分色に染まっていれば、そんなに大きな変化はないはず。
でも、一昨日も感じた好ましい方向への変化というか、可能性の片鱗は十分に感じられます。それは一体何か!
続きは明日にします。すんごい眠くなってきた・・・・・・・00/07/22「PAD来たる(その5)」
PAD(Purist Audio Design) ACドミナスの感想だったね。
実はあれから何回か手持ちのCDを聴いたのですが、また出張に出てしまい(こういうときに限って休日も含めて、だ)、書きそびれてしまいました。最近は24時間 XLOのバーンインCDを回しっぱなしにしていますので、エージングも進んできたかもしれません。それでもまだバーンインタイムは80時間程度。長いねえ、先は。
ケーブル未エージング時の音と比べることはもうできませんが、気持ち 左右への展開が容易になったかな、音像に芯ができたかなという感じは受けています。そうそう、古内東子「TOKO best selection」での試聴結果ですね。比較対象はカルダスのゴールデンパワーコード。安い品じゃないんですよ、これだって。私は国内発売前に直輸入してしまいましたが、国内定価は10万円以上するんですから。
PADは余韻が増した感じがする、というのは前も書きました。それは古内を聴いても変わりません。大体余韻感が少ないと、音がしまっている、スピード感がある、立ち上がりがいい、あるいは音に芯があると錯覚しがちですよね。PADで聴くと、ピアノがモアッと感じたり、口元が大きく感じたりしたこともないわけじゃありません。妻も最初の感想はそのようなものでした。
カルダスはPADと比べると直接音重視(といっていいのか?)のせいか、シンバルの金属感とか、締まったスネアとかわかりやすくて結構心地いいんです。そのもの その瞬間の音がするからです。その差は音楽が根底から覆るほどではありませんが、それは私がクラシックのようなホールトーンのたっぷり入った、間接音を重視するCDをあまり楽しまないせいかもしれません。6曲目「うそつき」は日本のポップスにしては珍しく非常に奥行き感が感じられる録音なのですが、PADはその楽器間が広がり、演奏空間が大きくなったようです。そしてカルダスに比べ多めの倍音が切ない歌詞に合わせるように、古内の色香を増大させています。また、イントロのギターの旨みたっぷりなこと! 当然スタジオ録音なのでしょうが、ホール録音のように錯覚するほどです。
もう一曲、9曲目「逢いたいから」はシンバルから曲が始まります。そのたった数秒の音の広がりが、オーディオ用語で言う「全然違う」のです。PADのほうが音叉を叩いたような余韻があります。当然その空間が広がったようです。ケーブルが余韻を足すことはない、とダイナミックオーディオの川又氏もいっていますが、私もそれには同感です。ということは、好むと好まざるとに関わらず、CDの正確な再生ということになると・・・それはPADの方に思います。
まるで間接音を否定したようなシンプル嗜好のAyreやAEを使っている立場からすると、少々複雑な心境です。00/07/22「PAD来たる(その6)」
dCSが来ていたために、PAD(Purist Audio Design) のレポートにだいぶ間が空いてしまった。待ってた? まあ、待っていなくても送るよ。
ダイナミックオーディオからのレンタル期間は3週間、ずいぶん余裕だと思っていたら、アッという間に時間がなくなってきました。先週末はdCSに打ち込んでいたせいもありますけど。
プリアンプのAyre K1に異常が認められたこともあって、久しぶりにDAC Wadia15iをパワーアンプ Ayre V1と直結するシステムとなりました。スピーカーの角度の見直しやDG28を使った微調整をやり直した結果・・・プリに慣れてしまったため操作感は今いちですが、その他は絶好調です。皮肉なもんです。さてさて、今日は デジタルドミナス(RCA、1m)のレポートをしましょう。
試聴機器周りはいつもと一緒です。違うのはプリがないのと、デジタル系にはレンタル中のAC ドミナスを使ったタップから給電していること。大違いですか?
我が家ではデジタルドミナスを(1) CDトランスポートのP2SとイコライザーのDG28の間に使うパターンと(2) DG28とWadia15i間に使う二つのパターンが考えられるのですが、Wadiaに接続するためにはRCA - BNC変換のプラグが必要なこと、今使用中のベルテック製DGX-702(去年から我が家にあるのに、試聴記をアップロードしていないことに今気付いたぞ)が気に入ってること、P2S - DG28間の方が位置関係からしてケーブルの抜き差しが楽なことから、(1) のパターンで固定試聴する事としました。
実は経験上デジタルケーブルの差違は(2) パターンの方が良く出るのですが、さてさてPADはどうでしょう。ここ(1) で使用中のケーブルはD-60(Illuminati)。あまり一般性のない比較対照になっちゃったなあ。
ちなみにこのケーブル、オーディオアクセサリー誌では福田雅光氏が「音質は純粋高解像度系のニュートラル基調で整い、表情は繊細にスッキリと描き出し、締まりを効かせ、音像は陰影を明確に表現する。(中略)レンジが広く、音場空間は透き通ったように拡大、抜けのよさ、遠近描写力に大きな魅力がある。」と評しています。これでもか、という誉め言葉の連打ですね。
この評論は別として、私は当然気に入っています。我が家のシステムの最上流(ん、ACが最上流か?)を任せているわけですし。1mのデジタルドミナスは実測1.2mというのは前に書きました。D-60はケーブル長60cm、それでも十分に足りているので、狭いラックの裏側でPADは余りまくり。無理な曲げ方をしているのではないかと冷や冷やします。
話変わりますけど、ケーブルってピッタリの長さで買ったらいいのか、余裕を見た方がいいのか悩みません? 特に高額ケーブルはそうはないですか。私はピッタリが好きなので、どのケーブルもあまり引き回しに余裕がありません(プリアンプの電源ケーブルなんて自作の20cmだし、プリ−パワー間のバランスケーブルも特注品50cm)。おかげで後で汎用性がなくなり、痛い目にあったりします。
デジタルドミナスは50cmあたり56,000円也。通常1mからの商品とわかってはいますが、この余り、すごい気になります。(そんなことは買うと決めてから悩むことだよな)おっと、また前振りだけで終わってしまった。続報を待て!
00/07/31「PAD来たる(その7)」
デジタルドミナス(RCA、1m)のプラグは肉厚の同社オリジナルプラグです。見た目も信頼性高そうだし、外見は好印象。
ただ、実際プラグに抜き差ししてみると、最近の「接点」関連アクセサリーをあざ笑うかのような やけに軽い差し心地。高額商品だけに意外です。ロック式に慣れているせいもありますが、ケーブル本体も重いし大丈夫なんでしょうか。(実際は別に問題ありませんでした)一括して書きますが、試聴は同じ条件で、何度も繰り返して行っています。
まずはいつものJPOPS 古内東子「TOKO best selection」から6曲目「うそつき」をチョイス。
聴き比べてみるとD-60は、全体的にちょっと硬質でエッジが立ったはっきりとした音です。それに対しデジタルドミナスは奥行き感に優れ、ボーカルが浮き出ていながら交じり合う感じがあります。ぬめっとした口元というのは適切な表現ではないかもしれませんが、余韻がグラデーションを付けて空間に溶け込んでいくというのは快感です。でもこれって人工のエコーですよね。リズム楽器はD-60に比べると柔らかいですね。これは好みが割れそうなところ。ピアノトリオからビル・エバンス・トリオの「ワルツ・フォー・デヴィ」の1曲目「マイ・フーリッシュ・ハート」(XRCD盤)を試聴。
ビル・エバンスのピアノの音色だけとってもずいぶん違いますね。D-60は強い音は強く、弱い音は弱くしているようなイメージ。直接的な半面、ピアノが軽く感じられます。デジタルドミナスはピアノが曇ったかと思うくらいの音が空間を埋めます。音色は全体的に柔らかですが、シンバルのロールは逆に鮮やかです。打撃音の解像度が高まるというのはそうそうあることではありません。情報量の増大を感じます。Dai Niiokaのアコースティックギターアルバム「Algum」の2曲目「Shadowy Key」。
D-60を聴く分には(入門用ギターのようですけど)エッジがきいて好みです。ビル・エバンスのピアノと同じイメージ。鋭さが一種の生っぽさを感じさせます。しかしデジタルドミナスに変えると・・・珍しく「うわっ」と声が出ました。音色の数が違います。ボディアタックの打音は鋭くありませんが、癖になる音です。なにせ空間に響くのですから。ここまで聴いてPADには大会場でのライブが合いそうだと思い、マイルス・デイビスの最晩年のライブ盤「ライブ・アラウンド・ザ・ワールド」からマイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」をチョイス。とある試聴会で朝沼予史宏氏が紹介し、その演奏に感激、即座にCDショップに走った1枚です。私の聴く唯一のマイルスのCDと言っても過言じゃありません。
拍手とざわめきの中にその存在を味わえるのはデジタルドミナスでしょう。マイルスのトランペットが優しく刺さります。その広がりは見事、キーボードもさざ波のようです。PADはノイズレベルが下がったような感じを受けるといいますが、それを一番感じたのはこのCDでした。それに対し、常用のD-60は各楽器に強調感があります。デジタルドミナスの後では不自然な感じさえ受けるのです。もう一度ポップスに戻りましょう。ただし今度は洋楽、最近リマスタリングされたスティーリー・ダンの「彩(エイジャ)」から1曲目の「ブラック・カウ」です。ディスコ調のファンクナンバーなのですが、この曲、なぜかヴォーカルのエコーが右スピーカーに抜けていきます。不思議なリミックスです。
D-60では全体的にちょっと平面的。デジタルドミナスはそれが改善され、且つスピーカーの外側にまでステージが広がったかのよう。ヴィクター・フェルドマンのエレキ・ピアノは弾む感じで、聴いていて楽しいのはこちらですね。おまけとして、オーディオチェックCDから生録した「SL」の通過音を聴いてみました。自然音ですので楽曲よりも的確にその差が理解できるかと思います。空に鳥が鳴き、SLが右から近づいて来て左に走り去る・・・そういった録音です。
鳥の鳴く高さや目の前を走り去るSLの音そのものに両ケーブルの差違は見いだせません。ただ、SLの近づいてくる雰囲気というか予兆のようなものをPADは感じさせます。妻に「その場にいるように感じるのはどっち?」という簡単な質問をしたところ、指名したのはPADでした。「風を感じるPAD」かっこいいです。しかし、今回は誉めまくりですね。
00/08/03「PAD来たる(その8)」
大体メールを書いているときは勢いがありますので、あとあと読み返すと「言い過ぎた!」と反省することも少なくありません。前回のデジタルドミナスの感想も二日経ってから読み返してみると・・・まあ、筆の滑りがないわけじゃありませんけど、感想に偽りはありません。ケーブル一本の変化としては立派なものでしょう。
ただいくら改善しようとも、値段に抵抗は、あります。正直な話。デジタルドミナス (RCA) 1m 370,000円ですからねえ。CDトランスポートのP2Sは中古で24万円で買ったのに! ケーブルがないと音は出せませんが、よく考えればただの一パーツだよ。私は経験上ケーブルの音の変化の大きさは、デジタルケーブル>電源ケーブル>インターコネクトケーブル>スピーカーケーブル だと勝手に思っています。確かにデジタル系にAC ドミナスを使ったときより効果があったように思います。刷り込みがあったんですかね。まあ、自分が良ければそれでいいのですが。
上の順、よく見れば 差し替え試聴の楽な順番だね。値段の安くすむ順という気もしますけど^^。レンタルしたのはAC ドミナス 2本とデジタルドミナス 1本。全ての組み合わせを試せるわけもありません。今までデジタル系にのみAC ドミナスを使用していたので、パワーアンプ Ayre V1でAC ドミナスを試してみましょう。定電圧電源FP500をスルーにしたほうが差がわかりやすいかもしれません。その他のケーブルは通常通り。デジタル系にドミナスは使用しないことにします。
そうそう、比較対照はV1の附属ケーブル。価格差は多分100倍以上あるでしょうね。ケーブルの差を出しにくいAyre V1、さてAC ドミナスはどうでしょう。試聴曲は一貫してJPOPS 古内東子「TOKO best selection」から6曲目「うそつき」。
附属ケーブルの方がトーンが明るい、そしてベース音の張り出しがよくアグレッシブな感じがします。AC ドミナス使用時はデジタル系に使用した時やデジタルドミナス使用時の変化と同じです。
ただ、デジタルドミナスを使用した時と比べるとその差は小さく、値段を考えるとこれはNo!と言わざるを得ません。妻など「かわらない」とはっきり言っています。ビル・エバンス・トリオの「ワルツ・フォー・デヴィ」の1曲目「マイ・フーリッシュ・ハート」(XRCD盤)を試聴。
古内東子よりはわかりやすい変化です。附属ケーブルは やはり明るい感じではっきりしたものがあります。それに対し、AC ドミナスは音色が丸く柔らかです。聴きようによっては沈んだ感じに取られるかもしれません。ただ、沈み込み陰影に飛んだ音色がバックのざわめきと相まっていいムードを醸し出すのです。これはやはりデジタルドミナス使用時の変化と同傾向でした。妻はこの2本のケーブルの違いを「シロフォンを固いマレットで叩いたときと布を巻いて叩いたときのような差」と評しています。語彙の差を感じさせますね。
しかし、この差も大きいとは言いがたいものです(価格差をどうしても考えてしまう)。気分的に附属ケーブルをちょっと変えてみたいと思っていたのですが、これでは引退できませんね。なんたって「正規附属」品なんですから。その後も日にちを変え、曲を変え、聴き直しましたが、やはりアンプへの効果は薄いよう。これ以上の追求は止めることにします。
Ayreのアンプは欧米のアンプにありがちな常時通電タイプです。一回一回電源を入れ直す度に正面のインジケーターがウォームアップを示す「赤」になります。ビクビク者の私としてはアンプのACケーブルテストは、アンプが壊れそうで結構気が気じゃないのです。(スイッチが固くて、ON/OFF音がまた大きいんだ、これが)00/08/06「PAD来たる(その9)」
忙しいね、全く。
おかげで、PADはすっかり返却時期になってしまいました。やりたかったことの半分くらいしかできなかったけど、新品は気を使うし、ちょっと借りておくには高額だし、もういい頃合いなのでしょう。さようならPAD、ありがとうシーエス・フィールド! (返却したということは、今回は購入に至らず、ですね。)
しかし、実生活がホームページにすっかり追い抜かれましたけど、ドミナスの感想は続きます。前回までにデジタル系一式(タップ)とパワーアンプ Ayre V1にAC ドミナスを使った感想を書きました。
タップに使ったのは高いケーブルが一本だけあった場合はテーブルタップに使うのが効果的と思い込んでいたのと、どうせ何本も買えるわけじゃないんだから、という貧乏人精神からの発想です。
ホントにそうなんでしょうか。CDトランスポート P2sにだけ、AC ドミナスを使ってみましょう。P2sも使用している方に聞けば「電源ケーブルで激変する」というのですが、試してみたモノが悪いのか、私にはそのような経験はありません。Wire Worldのエレクトラ・リファレンスを使ってもピンとこないのですから、重症なのでしょう。P2sにAC ドミナス 1mを差し込みます。その他は通常の我が家で使用中のモノばかり。
差した感じは緩くもなく、固くもなく。楽に抜き差しできるレベルです。デジタルドミナスの時もそうでしたけど、ケーブル本体が重く垂れ下がっていてなんとなく不格好。
そういえば、今 我が家のP2sに使用中の電源ケーブルはフルテックのプラグとアインシュタインのスピーカーケーブルで自作した品。報告する対象としてはちょっと不適切でした。試聴曲はお馴染みのJPOPS 古内東子「TOKO best selection」から6曲目「うそつき」。
妻にも同席してもらい試聴します。正直、自作ケーブルとAC ドミナスの間に極端な差はありません。ただ、自作ケーブルの方がやや平面的、AC ドミナスはステージの広さを感じさせ、ひとつの音色を核として半紙に墨がにじむような、そんな豊かな倍音の響きがあります。デジタル系に使用した時と同じ変化です。
ただ、言葉にするよりもその差は小さく、値段を考えるとこれもNo!ですね。ビル・エバンス・トリオの「ワルツ・フォー・デヴィ」の1曲目「マイ・フーリッシュ・ハート」(XRCD盤)を試聴。
自作ケーブルはいつもの音で極めて普通の感じがします。ただ、PADと比べると妙にスッキリしているようです。それに対し、AC ドミナスはビル・エバンスのピアノの余韻が次の音に被ってくるかのよう。やはり音色が丸く柔らかです。でもドラムの質感がゆるくなってしまうような変化ではありません。解像度は向上しているのです。
しかし、この差もめちゃめちゃ大きいとは言いがたいですね。何度も試しましたが、1本だけAC ドミナスを使うならば、テーブルタップに使用するのが良さそうです。それはドミナスの特徴がトータルで味わえるから。
では、テーブルタップにも、P2sにもドミナスを使うとどうなるのか。相乗効果があるのかというと、私はタップに1本でもいいような印象を受けました。
ビル・エバンス・トリオは割と何を聴いてもわかりやすい変化をしますが、テーブルタップにドミナスを使用したその変化が、ACケーブルによる再生音の改善のピークに近いと感じられたからです。勿論その他のソフトも程度の差はありますが、同様の結果でした。00/08/06「PAD来たる(その10)」
ああ長かった、このPADシリーズ。
アンプの電源は入れっぱなしで暑いし、CDも回しっぱなしだし、平年は入れないクーラーを付けているし、先月と今月の電気代が心配です。さて、PADの総括ね。
PADのドミナスシリーズ、すごい立派な商品だと思うんですよ。
何よりも我が家ではケーブルとしては過去最大の変化があったということ。高すぎるとか差が小さいとか書きましたけど、それもソフトや好みによりけりだし、それでもこのレベルになると違いはわかるのです。特にデジタルドミナス、素晴らしいと思いました。
それにデジタル系のケーブルを替えても、アンプのケーブルを替えても、デジタルケーブルを替えても同じような変化をするというのはすごいことだと思いません? 高価すぎて絶対に購入対象にならないだろうと思ったため借用対象としなかったXLRケーブルやスピーカーケーブルもきっと同傾向なのでしょう。
ドミナスを使うと、共通してエコー感と余韻成分が聴こえてくるようになる、それを他のケーブルと比較すると空間表現が拡大して情報量が増えるように感じるのです。高いお金を出して購入した自分のシステムに、まだまだ潜在能力がこんなにもあったのかと教えてくれるケーブルは貴重でしょう。恐るべしPAD!ここから先はもう個人の感覚と懐具合ですね。
ドミナスの導入で今まで聴こえなかったものが聴こえてくる、それに元々のソフトに対して聴こえていなかった情報があるという事実を見逃して音楽を聴き続ける時間は決して戻ってきません。ホントは時間よりも高いものはないのですけど、私も含めた多くの人の場合、理想ばかりは追えない現実があります。とりあえず、デジタルドミナスは購入目標にしようと思います。AyreやAEというPADと反するようなシステム(?)を使っている自分が結構このケーブルにしびれているのです。
PADにとってドミナスは最高ランクでプロテウスやコロッサスといったクラスがあることは十分承知していますが、どうやっても買えない価格差でもないし、他クラスを買って「もしドミナスなら」とチラリとでも考えるのもいやだし、それに200万円のdCSのコンバーターよりはよほど自分のハートにグッときましたよ(dCSはちょっと再チャレンジしてみたいけどね)。しかし、いい経験をさせてもらいました。改めてシーエス・フィールドとダイナミックオーディオには感謝感謝です。
00/08/07「PAD来たる(番外編)」
>> 突然ですが、PAD、知ってるでしょ。あの液体ジャケットを纏ったアメリカ
>> のケーブルメーカーですよ。> PADといえば私でもその値段の高さで知ってはいます。
> 小遣いの一部を擲ってまで買いたくなるほどの魅力あるものなのでしょうか?
> でも、どうしてあんなに高い値段がついているんだろう・・・。理由はいろいろあるのでしょうが、PADといえば内外価格差の筆頭に上がるようなブランドであることは確かですね。デジタルドミナス RCA 1mの場合、(日本はSignatureモデルですから米国内販売品とはちょっと違うみたいですが)現地価格は$1,325(1$=110円で145,750円)、国内定価は37万円ですからねえ。
私は義理を欠くのはいやなので試聴させてもらったところから買うことにしています。今回購入するとしたら正規料金を払いますが、次回の約束は出来ないというのが正直なところです。ホームページで感想を載せただけで「ダイナミックオーディオで借りて、○○○で買えば15万円は安いですね」なんて忠告をもらったりするのですから、もう一般的なんですよ。直輸入ショップでも貸し出しを行ったり、アフターケアを行ったりする(無論本国での対応ですけど)この昨今、正規代理店であるシーエス・フィールドも最新モデルを扱い、バージョンアップに対応するだけでは消費者を引き付けておくのは難しいと思います。バージョンアップだって有料でしょうし、モデルチェンジしたら直輸入で再購入した方が安上がり、なんてことにもなりかねません。
商社「冬の時代」ですね。いざというときは代理店がないと困るんですけどねえ。>> ただいくら改善しようとも、値段に抵抗は、あります。正直な話。デジタル
>> ドミナス (RCA) 1m 370,000円ですからねえ。CDトランスポートのP2Sは
>> 中古で24万円で買ったのに!> 趣味に損得勘定を盛り込むのは無意味なことですね。 そうではなく、いかに
> 「技」を身に付けるか、この部分を追求することこそが趣味の醍醐味ではないで
> しょうか。
> とはいうものの、カネがかかるのも事実。 バランス感覚は大事といえましょう。そうですね。無尽蔵にお金があるわけじゃないし・・・でも、趣味となると支払い感覚から0がひとつ消えますもんね。
「37万円の導線が買いたい」なんて妻には口が裂けても言えません。冷静に考えれば、一ヶ月分の給料より全然高いんだぜ。呆れるね、我ながら。バランス感覚崩れまくりです。
「技」がないのは悲しいなあ。ではでは。
00/08/26「PADその後」
長い旅(出張)だった・・・やっぱり3連泊が限界だな。ホームページの更新も気になるし。
今回は覚悟を決めて、常時通電のAyreのパワーアンプの灯まで落としていきましたよ。修理に出したプリアンプは今頃どこをさすらっているのか・・・。長い長いレポートでご報告の通り、ダイナミックオーディオ・サウンドパークダイナさんからPAD ドミナスケーブルを借用しました。借用条件は3週間での返却と試聴後レポートの提出です。
遅ればせながら先週末に、ホームページ上で公開したものの一部改定バージョンを提出、出張から帰ってきたらダイナミックオーディオのページ(H.A.L. → H.A.L.'s サークル 内)にアップされてました。一部改定は販売店的不都合と文章の推敲です。感想自体はいじっていませんが、並行輸入の話とかは自分の判断で削除しました。文章自体は向こうの方がだいぶ上手くなっているはず。原文は読み返すと、つたない文章でしたねえ。
ただ、店には無改訂(当たり前)正直版の感想は当ページにある旨を自己申告。丁寧なお返事をいただきました。特に並行輸入についてはこのようなことが書いてありました。「定価は現地の二倍になっているということはシーエスフィールドも認めており、販売の立場としては現地価格への考慮も含めて努力しているものとご理解ください。
販売の手段と良質なものを選び推奨するという我々の存在自体にマージンとコストが存在しています。同時に輸入元もプロモーションや啓蒙活動、維持経費などを見込んでいくと中々現地価格には近づけることが出来ません。」だいぶ抜粋してしまい、お店の方には怒られそうです。ただ、販売店としては当たり前ではありますが、至極真っ当な返答と思います。
私も電源のいる機器、超高額商品の並行輸入は躊躇しますが、一度でもインターネットで売買をしたことがある人なら、ネット上で国内定価の半値以下の価格が提示されているケーブルやアクセサリーの購入を悩む人はいないでしょう(輸入代行という手段もあるわけだし)。厳しいですねえ。当ページの正直版の感想についてはシーエスフィールドの社長さんも「手厳しいご意見ですね」と感想を述べておられたとのことです(だいぶやさしい書き方だったよね)。
話かわって。
並行輸入推進派のA&Vビレッジ誌の「読者便り」コーナーにオーディオワールドの感想を寄稿しました。9月号に掲載していただいてよかったのですが・・・言い足らない部分が多々あったので、宣伝も兼ねてこのページのアドレスも記したんですよ。誤植の多さで有名な雑誌ですから、アドレスを間違えたらいけないとわざわざEメールで投稿したのに・・・間違ってやんの。
投稿の文章を何も考えず縦書きにしたらしく、「~」と「.」が化け化け。紙面のアドレスを打ち込んでもここにはたどり着けませんねえ。抗議するのもどうかと思うし、別ネタでアドレスを書くのもいやらしいし、放っておこうか?ではでは。
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