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音処探訪

イケオンWeekend試聴会 

00/3/18 14:00〜15:30 「ATC SCM150Pslを聴く」

 昨年のオーディオショウで個人的に一番気になっていたスピーカー「ATC150Psl」の試聴会に行ってきました。
 場所は東京池袋のイケオン、実は家から自転車で行ける程の距離なのですが、随時商品の展示をしている店ではないせいもあって、ほとんど行かないのです。特に場所を池袋郵便局裏に移転してからは初めての訪問となりました。
 試聴会の申し込みはインターネット上で行えるので簡単です。空いていれば「ご参加を」との返事が来ます。ステレオサウンド誌には3ヶ月先までの試聴会の予定も載っています。勿論、インターネット上でもわかります。

 お店は以前にも増して狭くなっているような・・・「ATC150Psl」がオーディオショウの時よりも大きく感じられます。それでも試聴室は10畳くらいはあるのでしょうか。試聴用に12人分の席が並べられています。ATCこれ以上の人数は厳しいようです。
 部屋はルームチューンされています。スピーカー背面壁にコンバックのルームチューニングデバイス RFA-78が貼られ、コーナーも某かで処理されていました。
 今日は2時からの試聴会のため1時半頃には行ったのですが、もう真ん中の席は取られていました。定位重視派としては残念です。中央がないときは前で聴く、ということを心がけていますので、一番前の右寄りに座ることにしました。既にBGMとして山下達郎「On The Street Corner 2」の1曲目「Amapola」が流れています。それだけでAE2Signatureとは別の世界を感じさせます。曲が始まって2分ほど、パーカッション(このCDは打ち込みは行っていなかったはず)と思いますが、その沈み込みが全く異なりました。

 ATCは内容積がその型番を表しますので、「ATC150Psl」ということは容積150リットルということです。パルプコーンの38cm口径ウーハーは改めてその大きさを感じさせます。我が家に置いたら、まさにスピーカーが迫ってくるように感じることでしょう。885H×500W×588D(mm)ですからね。それでもB&Wの「ノーチラス801」よりは小さいかな。重さも100kgを越える801に比べ、63kgと大きさの割に軽いように思います。
 カタログデータ上の周波数特性は(ウーハーの口径の割には低域に伸びていないとも思える)30Hz〜20KHz(-6dB)となっています。同じ英国のPMCの国内定価同価格帯(といっても40万円も高い)の「BB5」が38cmウーハーで17Hzまでの再生を唱え、「ノーチラス801」(こちらも20万円高い)が同じく38cmウーハーで特性を23Hz〜30KHz(-6dB)としていることからするとずいぶんと控えめの値です。各メーカーともスーパーCDやDVDにあやかって、ツイーターブームを起こそうと躍起になっている昨今のこの堅実なデータ発表、ただ本当はこれが正解です。私自身高い音に鈍いせいもありますが、マイクが拾っているかどうかもわからない30KHzになど興味がありません。AE2Signature使用者としては、低い音にはちょっと惹かれますけどね(^^)。

 再生装置はCDプレーヤーがDenon DCD-S1(IKEON Original)(75万円)、プリアンプがMark Levinson No380SL(125万円)、パワーアンプがKrell FBP-300C(168万円)です。CDプレーヤーは最近よく見かけるショップオリジナルチューンの商品です。ブラックのDCD-S1も結構かっこいいですね。これもイケオンのホームページに詳細が載っています。

 試聴希望者が8名ほど集まって(少ない?)、一時ブームだったホリー・コールの「The Tennessee Waltz」から試聴会の始まり。音量は実際に家で聴くよりもだいぶ大きめです。ただ、なぜか最初の数曲は眠かった・・・。キャノンボール・アダレイのあの「枯葉」のときですら「トランペットの押し出しが良くて厚いなあ」などと、ずいぶんと期待を込めて行った割には漠然と聴いていました。ただ、自ら反省せずに言うのも何ですが、普段聴かないような大きな音量の中で眠くなれるというのは良いスピーカーだという証拠・・・だと思うのですが。

 ま、それはそれとして目覚めたのはフォープレイの「Bali Run」を聴いたとき。たまたま家でこの曲を聴いてから出かけましたので、我がAE2Signatureとの差があまりにも顕著にわかりました。AEの9cmウーハーではお呼びも付かないような打音です。風が感じられます。
 以前のSCM100はもっと渋い、暗い感じの傾向にあったように思います。これもその延長線上にはあるのでしょうが、暗さは感じさせない肉厚な鳴りっぷりです。中域重視なのでしょう。もちろんナローレンジとも感じさせません。

 レヴァイン指揮のホルスト「木星」は圧巻! 常々こういう曲は大型スピーカーで聴きたいと思っていた夢があっけなく叶いました。本当のクラシックファンの方々は広がりや奥行きといった音場感情報が欲しいと思うのかもしれません。ただこのスピーカーにそれを求めるのは筋違いのような気もします。それは 最近、こと奥行きに関しては部屋が作り出すという考えに自分自身が振れてきているせいもあります。店員さんは「バイオリンの音色はもしかしたらこのスピーカーの最も苦手とするもの」と言っておられましたが、そもそも普段から「バイオリンの音色」を聴かないので良いか悪いかの判断はしかねるところです。

 キース・ジャレット・トリオのブルーノートライブ、音像の大きさは、ご愛敬でしょう。試聴位置が近いせいもあるかもしれません。でも、ベースをはじく時のノイズやスネアの打音はそんな欠点を上回る生々しさです。(この迫力がありながら、ピンポイントな定位や音像の小ささでAE2Signatureに勝てたらそれはすぐに買い換えます。)

 ここで、パワーアンプの交換がありました。Threshold T-800DG(定価170万円)という数年前に発売になったアンプです。この機種名を聞いてすぐにわかるのは相当なマニアでしょう。
 在庫整理とも思える、お店側のオススメの組み合わせです。何曲かKrellアンプ使用時と同じ曲を聴きました。その音調は一言で言えば「暖かい」。ただ、私は「150Psl」には、ある種の凄みを求めますので、それが感じられるKrell FBP-300Cとの組み合わせの方が好きでした。何となくT-800DGは軽いのです。

 各所で聴いた「ノーチラス801」よりは自分自身「ATC150Psl」の方が好みです。ただ、さっきも書いた、広がりとか奥行き、いわゆる音場感を言い出すと「801」です。時代の流れとしては「801」に軍配が上がるのでしょう。ATCはエンクロージャも洒落っ気がありません(ブラック以外の色は特注のようですが、まだその値段も決まっていないとのこと)。

 しかし、こうなると「ATC150Psl」と同系列と思えるPMCを同じ土俵で聴いてみたい・・・。同じATC通しで「ATC150Psl」と30cmウーハーの「100sl」を比べてもどうなんでしょうか。曲によっては格段に寂しくなったりするのでしょうか。実際に家庭で節度ある音量で使う、ということになると30cmウーハーで十分なのかもしれませんが、なんというか、あこがれ的な思いこみが38cmウーハーにはあります。

 なかなか都内でATCの大型スピーカーを目にすることは難しいのです。文章にもちょいと力が入りました。


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