A&Vビレッジ誌が主催するオーディオワールド(7/14,15)に今年も行ってきました。会場が東京・秋葉原のダイドーホールとなり、だいぶ広くなっています。試聴部屋を4室も確保したのは立派でしょう。ただ、遮音等は一切配慮がありませんので、隣室の音は漏れまくり。聴く側も試聴場所を選ばないと全く意味のないものになってしまいます。
笑ってしまう誤植と笑えない誤理論が極めて多い本誌ですが、つまらないながらもネタは豊富。この雑誌から火がついたアクセサリー類も多いわけで、近隣の方は一応は行ってみるべきでしょう。
私は大阪在住ですから、問題は大阪から秋葉原まで往復30,000円をかけて行く価値があるかどうか。秋葉原・お茶の水・新宿と散策し、知人にも会え、自宅にも帰れたのでまあいいですが、この催し単独では「No」でしょう。2日間行ったとしても、30,000円の価値はありませんでした。試聴会場はまだいいとしても展示がつまらないんですよ。説明者も売り込む気があるのか ないのかよくわかりません。商品を見るだけならここに来なくとも出来ますし、開発者とのフリートークもキャラが濃いだけの人が少なからずいます。30社が出展していたそうですが、やる気のあるところとないところがキッパリと別れていた感もあります。
その割に展示会場は盛況、試聴会場は空いているという変な状況でした。混んでいるのは逸品館/カイザーサウンドとかサウンド・デンとかの試聴会場だけで、これまた格差が大きいのです。
辛口はこれくらいにして、その紹介に入ります。30社のカバーはとてもできませんので、興味あるところを少しだけピックアップしましょう。
最初はコンバックから。
実はハーモニクス製品のデモに参加したかったのですが、時間の都合で参加できませんでした。これは少し心残り。
恐らく目玉は左写真のCDプレーヤー「CDP-777」なのでしょうか。ビクター製のトランスポートを積んでいます。右写真はジャンパーケーブル「ワンダー・ジャンパー(手前)」と「マックス・ジャンパー(奥)」です。長さは25cm弱もあります。最近 ツイーター用ケーブルの評判がいいだけに興味深いですね。
ただ残念なことに中央部にコアがあり、この部分は一切曲がりません。バナナプラグを使用したとしても、端子間の狭い我が家のようなスピーカーで使うのは難しそうです。お値段はお高め、マックス・ジャンパーで7万円台ですからねえ。
今回初参加なのが足利のオーディオショップ エレックス。足利まで行くほどの情熱はありませんので、貴重な体験でしょう。
ここはアルミにこだわってるので、スピーカーのエンクロージャーもアンプの筐体もアルミニウムです。デジタルアンプを推奨している店でもあります。右写真は「スーパーミッドALスリムミニ(24万円/ペア)」です。8cmのエッジレスウーハーとソフトドーム・ツイーターの組み合わせ。
音は非常にクッキリしているというか、カッチリしているというか。うるさい会場でもはっきりと聴き取れるというのは なにもニアフィールドのせいだけではないと思います。エンクロージャの素材が音に出るのでしょうか。振幅で低音を稼ぐスピーカーの中では好きなほう。
ただ、このスピーカー、何が悪いって作りが悪いんですよ。いかにも素人っぽい。外観に無駄な費用は投じないというポリシーなのかもしれませんけど、不骨といっても限度があると思うんですよねえ。音が良くてもこれに大金を払うという感覚は私には・・・。
仲間内で大好評だったのが、右のボーズ製ヘッドホン、通称「ノイズシャッター」です。40,000円也。なぜか江川工房のブースにありました。
恐らく江川三郎氏としてはこのヘッドホンの音がよいから展示したのだと思いますけど、我々の盛り上がりは別のところにありました。このヘッドホン、ハウジング部分にマイクがあり、外騒音と逆相の音をぶつけることで「消音」ができるのです。つまり、ヘッドホンとしての使用はもちろん、消音機能は電池式のため、ただ被っているだけでも効果を示すというわけ。その効果もお見事。完全な無音にはならないにしても、これは使い道が結構あるのでは?江川工房のデモにも途中参加しました。やっていることはA&Vビレッジ誌50号P150と同じ。フォスター製の5.7cm小型スピーカーユニットを使ってのニアフィールド実験です。私も通常 口径9cmのスピーカー(AE2Signature)を使い、今のセッティングではスピーカーまでの距離は1.5mくらいですから、この思想には同調します。環境がその状況を無理強いしているとしても、小型スピーカーはやはり好きなのです。
後ろでボーッと聴いていると、江川氏がちょいちょいと手招き、私を最前列に導いてくれました。ニアフィールド試聴の感想を求められ「密度が濃い。懐かしい」という発言をしました。「懐かしい」という言葉に氏は意外そうでしたが、この音は私が自作をしていた頃の音だったのです。故長岡鉄男氏に傾倒し、FE87を近所のDIY店で切り出した密閉箱に入れてみた時のような・・・。
しかし、小型スピーカーを手でもって皆に聴かせているため、2つのスピーカーの高さもバラバラ、距離も違うし、向きも違う、しかも1台は角を削ったラウンドバッフルというこの状況が奏でるものは一体何なんでしょう。逸品館の「レーザーセッター」を使い、mm以下まで左右の状況を揃えるあのセッティングを一方で見せられると・・・。しかし今すぐこの音に飛びつくことはありません。今の我が家のバカ高いシステムが奏でる再生音も、こういった音を踏み台にして構築された結果であるからです。重い機械が動かせなくなったらこういった音に帰る、それでいいと思いますけど。
関口機械販売の扱うアコースティックリバイブの各製品(左からアース・リンク「RE-9」、ディスク・デマグネタイザー「RD-1」、超低周波発生器「RR-7」、電源タップ「RTP-6」)です。有名な商品ばかりです。詳細はホームページを参照して下さい。
ここの会社のスピーカースタンドを試聴したことがあるのですが、この時はなかなか好印象。今でも欲しいものリストには入っています。それでも導入に踏み切れないのは純正スタンドが処分できないから。スタンドだけ売れないでしょう。う〜ん、今なら以前以上に効果が認められると思うんだけどねえ。
社長の関口氏にもお会いし、スタンドを借りた旨挨拶させていただきました。非常にお若いのでビックリです。効果がある・ない、賛否両論あるこれらの商品群、それをメーカー自らがデモするのですから、ここで目立った成果がないのであれば、興味も薄れてしまいます。一堂に会して聴く機会もないでしょうし。
最初はアース・リンク「RE-9」から。東京時代の我が家では不思議なほど「全く」効果をみせなかった機器です。
CDプレーヤーのシャーシ電位を測り、実験が始まりました。オン・オフの結果は「まあ、変わったと言えば変わった」という程度。低域の濁りが取れたことでレンジの広がりが感じられる、というところでしょうか。ボーっと聴いている人にはわからない変化量です。ディスク・デマグネタイザー「RD-1」もデモではそこそこの効果があります。ただ、ディスククリーニングをしてもこういった陽性で明瞭な方向は得られますし、今回も私にとってなければならない機器にはなり得ませんでした。現実に購入して、CDを聴く度に使い続けているという人はどれくらいいるんでしょうねえ。
以前から電源タップ「RTP-6」には好印象を持っていました。重いタップ(2.5kg)が好きなんですよ。アルミブロックくり抜きの構造や天板が黒、外周がアルミという配色もエアーのアンプに通じるものがあって好みです。
比較はヴォイシング・オーディオ・ラボのタップという二度とないような組み合わせとなりました。
アコースティックリバイブの製品は皆に同様な方向へ変化します。雑味が取れ、明晰さが増し、奥方向への音場感が増すのです。悪く言えばちょっと腰高かも。ヴォイシング製の方が重量感は感じます。そしてこのタップが今回最大の変化を示した商品でした。ということは 超低周波発生器「RR-7」は・・・変化はあると思いますよ。ただ慣れてしまうでしょうねえ、この程度では。激変グッズではないですし、私が求めるものとは的外れの変化をする機器なのでしょう。異様に軽いその内部にはどんな回路が入っているのでしょうね。
このデモで使われていたのはタンノイの(恐らく)スターリングとFASTのアンプでした。このアンプは発売元の出水電器が真空管オーディオフェアに参加している頃から聴いていますが、いつも好印象です。すごい駆動力があると思うんですよねえ。タンノイからこれだけゴリッとした立ち下がりの早い低音を聴かせるアンプはそうはないのでは?
森の音工房の製品も見てみたかったもののひとつです。
モニターオーディオ製スピーカーの上に乗っているのがスーパーツイーター「鱗雲(76,000円/ペア)」、三角柱で3面にセラミックスピーカーが搭載されており、3次元的な立体感を生むとのこと。
もっとフルレンジ的な再生かと思いきや、そうでもありません。効果はそこそこありますが、村田製作所製ほどのものでもないでしょう。作りがちゃちいのはここの製品の特長です。外見を気にしたらここの製品は買えません。自作丸出しですからねえ。ここいら辺が私とA&Vビレッジ誌の相容れないところで、音さえ良ければという考えにはなり切れません。やっぱり製品自体にオーラがないと。ハーモネーター内蔵モノラルアンプなんて、デザインさえよかったら高域用アンプに(夏用にもいいかも^^)導入したいくらいなのにねえ。
制振金属M2052で有名になったセイシンのデモです。使用スピーカーは相島技研のもの、パワーエクストラ(スタンド上の2台)も当然のように使われています。使用スタンドは複数の粉体を比重の順番に入れ振動を吸収するコンドライト(20万円/ペア)です。ホワイトジルコンや制振金属が多用されており、アクリル製(?)の天板もなかなかビューティホーです。(ちなみに写真後ろは高橋研究所のMFBスピーカー)
ここでは制振金属にて徹底対策をしたソニー製CDプレーヤーとノーマル版の聴き比べを行いました。
対策版は奥行き感が向上、倍音が増えたように感じられる割に抜けはよい、といった結果です。ただ、文字にすると大した変化なのですが、私自身はもっと改善効果が感じられてもよいように思いました。自分の家で制振ワッシャー等を使うと、ときどき目を見開くような変化に遭遇することがあるからです。この2台は黙って聴いてもわかる差があるので期待過剰なのかもしれませんが、40,000円をかけて「徹底対策」した割には、今ひとつ物足りないというのが正直なところ。新製品もいろいろ登場するようです。トップローディングタイプのCDプレーヤーに用いる「リング・スペーサー」(ディスクの上部と下部に挟んで使う)も興味深いですが、新しいインシュレータの方が注目を浴びそうです。これはすり鉢状の凹部と凸部からなり、接触面がコーティングしてあるためにつるつる滑るという仕組み。最近こういったスパイクとは逆の、滑りによる振動低減を目指した商品が増えつつあります。
あと、相島技研のデモでパワーエクストラ(一台128,000円)の有り無し比較も聴きましたので一緒に書いておきます。
デモにしては再生音が小さく、その真意が汲めていなかったら申し訳ないですが、私なりに微妙〜な変化でした。去年のデモに参加できず、期待していただけにちょっと残念。ちょっと隣がうるさすぎ(低音・大音量派のヴォイシング・オーディオ・ラボでしたからねえ)微少ないい部分が飲み込まれた感もあります。不運でした。
使用スピーカーがセイシンのデモと同様の小型同軸2Way(ティアック製スピーカーのユニットのように見えました)でしたから、もっと大口径の、あるいは3Way以上のスピーカーに顕著な効果を示すのかもしれません。今回のフェアで一番面白かったのはボーズのヘッドホン「ノイズシャッター」ですが、オーディオ的に一番興味深かったのは、McAUDIのデジタル・バランス・プロセッサー「MD2200(328,000円)」とバランスD/Aコンバーター「MD2300(220,000円)」の組み合わせです。
簡単にいえば、デジタル入力をLRに分けて、DACをモノラル使用するというもの。以前はこういった考えの商品もありましたが、現在はほとんど見かけません。DACのモノラル使用により、ステレオアンプとモノラルアンプのような差が体験できるとのこと。DACはMD2300を使わなくとも手持ちのバランスタイプDACを用いても可のようです(でも、2台持っている人はそうはいないでしょう)。
実はじっくりとは聴けなかったんですよ。ただ、触りだけですが、非常に高密度でアナログライクな製品のように思いました。オーディ的な高解像度というのは値段なり。
最終試作段階とのことですから、今後の製品化が非常に楽しみです。
今回、カイザー、逸品館、サウンドデンというオーディオ・ワールド3大ショップのデモには参加しませんでした。昨年じっくりと味わって、どのような変化をするのか、どのような効果があるのかというところは大体把握したつもりですし、自分が関西に引っ越したので何時でも実店舗に行けばよいのです。
そうはいってもカイザーサウンドのブース写真くらい紹介しましょう。
カイザーの製品(ローゼンクランツ・ブランドです)は、私にとって、予選はいいのに本番に弱い商品です。デモで聴くと何時も「これは!」と思うのですが、いつの間にか購入リストから外れているようなところがあります。特にここのインシュレータを用いた変化は、音楽が軽やかに宙に舞い、特に左右の音場情報が増すように感じる印象は大変にいい方向なのに・・・。今年も貸し出しを頼もうかと思いつつ忘れて帰ってきてしまいました。主な報告はこんなところ。以下番外編です。
ロビン企画ではPADのACドミナスを借りることとしました。もちろん並行輸入品です。正規品と輸入品の音の差を問うと、やけに自信たっぷりに「お聴きいただければわかります」とのこと。まあ、自宅システムでじっくりと聴いてみることにしましょう。料金1/3で、正規品のあの感想を上回ることがあるんでしょうか。昨年一時盛り上がったPAD熱が転勤ですっかり冷めてしまいました。再びそれに火を付けることができるかどうか・・・。
しかし、この会場の隣のビルは正規品の殿堂、オーディオショップの大巨人「ダイナミックオーディオ」です。裏では噂の飛び交うPADの並行輸入品やロビン企画の盛況をどんな感じで見ているのでしょう。
そういえばひとつだけほぼ購入を決めて帰ってきた商品がありました。それが右写真のCEC製CDクロックラジオ「CD969」です。欲しい理由は簡単で、(1) 妻がリビングで音楽を聴きたいと言っている、(2) 音楽で目覚めたい、というものです。
実は以前、日本橋電気街をアラーム機能のついたCDプレーヤーを捜し回ったんですよね。ところが意外に機種がない。いらないMDが付いていたり、妙に多機能だったり、高価過ぎていたり、なかなかピッタリくるものがなかったのです。これは実売価格で7,000円弱ですから、単目的使用にはいいもんだと思います。大きさも20cm立方以下で場所もとりません。
CEC製だから、そのうちチューンアップを請け負う店が出てきたりして。熱研のブースでは期待していたDSIXの試作機が見あたりません。これは製品化断念ということなんでしょうか。
最後に。
オーディオ・ワールドでは今年も来訪者全員がくじを引くことが出来ました。私、またまためでたく「ツアウバーディスク 10個」をゲット! 価格的には1,000円程度でしょうが、嬉しいものです。
ここのくじは日曜日に引いた方がいいですね。昨年もそうでしたが、土曜日は商品が余りまくり、日曜日には当選率が非常にアップします(空くじを抜いているのだと思う)。以上、裏情報でした。home /
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