afutura オーディオ訪問録 〜togamiさん〜

2003/03/08「チーム”ぶっちぎられ”」

 togami邸の詳しいことは、音楽と日本酒のページを見るべし。今回は同行者の感想を途中挟みながらこの訪問録をまとめましょう。

togamiさん宅

 さて、行って来ましたtogami邸。
 実は待ち合わせのバス停で、海を見ながらtogamiさんのお宅想像。あまりの海沿いに「民宿やってんじゃないか」「サーファーショップで家族でボード削っていたりして」「船に乗って手を振りながら迎えにきてくれると面白いんだけど」と勝手なことをいってました。その予想は当たり前のように全て外れ、togamiさんは坂の上から普通に現れましたが、その居心地の良さは確か。

 立地最高。
 もてなし最高。
 ただし駅からも遠いここから都内に通勤すると思うと、人ごとながら不安になる、そんなところ。だって、リスニングルームの窓の外、これだぜ。大島、江ノ島、富士山、相模湾が一望できる。オンタイムとオフタイムの差がクッキリだ。晴れても曇っても、絶景は絶景。

togamiさん宅

 togami邸予想どうり最高のロケーション!!
 部屋の窓から相模湾越しに富士山ド〜ン!! 伊豆半島を望み江ノ島もばっちり。
 家のすぐ下は漁港で釣りし放題状態。
 もう保養所感覚です。

 Ayre D1を使って、どんな美しい画像を映そうと、この景色にはかなわないでしょう。
 こんなロケーションの中で部屋にこもり、ケーブルの差し替えとかしているんだから、オーディオって罪な趣味。

 その罪を犯した連中、一行4名+ご本人でリスニング開始。部屋は6畳? 人が多くギューギューで、その部屋本来の力を発揮させずに試聴に突入するというのは、もうお決まりですな^^

DVD/CDトランスポート Ayre D1x
DAコンバーター MSB Platinum Link DAC Plus
アナログプレーヤー Well Tempered Model 1
フォノカートリッジ Lyra Clavis D.C.
プリアンプ Ayre K1x
パワーアンプ Ayre V1x
スピーカー Avalon Arcus

togamiさん宅 途中休みを挟んで14時〜19時くらいまで聴いたみんなの感想。

 正直、ゴキゲンなサウンドでした。
 ここをこうしたらもっとこうなっていいんじゃないってのがほとんど浮かばないし、そんな事は試しつくし、togamiさんの調教下なんだなと感じました。

 超ド級のシステムを好きなように鳴るように解放し、その後好みの方向に若干軌道修正した感じでしょうか。

 車に例えるならビックトルクのアメ車(ルマンに出るようなバイパーのような)を車の性能任せに走らせてると見せ掛けといて、ドライバーが絶妙にコントロールしてるとでもいましょうか。
 有り余る音楽エネルギーを野放途に解放させてると思わせながら実に危うい領域でコントロールされています。動的で開放的な低音を軸に全体的に乗れるホット音。

 もちろんオーディオ的なクオリティーは非常に高い次元で確保されていると感じました。(持参の自作ケーブル惨敗でかなり凹んでます...)

 特にtogamiさんメインの女性ボーカル(ウイスパー、アコースティック系が多い?)は妖艶に鳴りますね。正直久しぶりに聴いた岡村靖幸のカバー「イケナイコトカイ(by 鈴木祥子)」はオリジナルと同等以上に訴えかけてきて、オッさん不覚にも1本とられました。^^

 それに今まで聴いたソフトの中でtogamiさんの所が1番ってのが何枚かあった。

 まじでいい状態だと思います。俺もこれから精進しなきゃ^^ しかし自作ケーブルがあそこまでケチョンケチョンにやられるとはちょっとショック。

 そう、途中 AyreK1X/V1X のACケーブル交換をしてくれたんですよ。リクエストとはいえ、偉いねえ。Ayreのケーブル交換はちょいと間違えると危険なので、よくもまああんなに回数をやってくださったと感心してます。ボクなら断ってます。

 自作ケーブルに非があるわけではなく、だいたいどこの家でも持ち込んだケーブルを入れ替えたり、機器を入れ替えたりすると、(好みとは別に)マイナス面と同時に、向上する一面もあると思うわけ。ところが今回togami邸、その幅が小さい。もしくはない。

 これはとりもなおさず、togami邸システムがある種完成された世界であることを示していると思うんです。ちょうど行きがけに寺島靖国ムック本を読んでいて、故長岡鉄男邸に寺島氏が高額ケーブルを持ち込んで、300円ケーブルに惨敗するというシーンがあるんだけど、そのシーンが自作ケーブル”ぶっちぎられ”とだぶりました。

togamiさん宅 音そのものについてはAyreとその異母兄弟みたいなAvalonの組み合わせなんだから悪いわけがない。Ayre 恐るべし、Avalon パチパチ。いい音だから、同じ Ayre V1X/K1X ユーザーのボクも嬉しい。こちらも自信を持ちました。

 Avalon もSymbol 以外は久々に聴いたなあ。Arcusは家に戻るまで密閉型だとばかり思っていたら、ポーテッド・エンクロージュアなのね。ずっと弾むなあ、潤うなあと思っていたからです。部屋のレゾナンスも利いて、座っていたベットも結構ビンビンに響いてます。
 そのAvalon Arcus の手綱を取るAyreのアンプ。そしてそのAyreを支配下に置くtogamiさん。

 非常によく教育されたシステム。お上品系ですな。

 ただし、よく教育されているが故に、羽目ははずせない。予期せぬ外敵(例えばドラムスの連打とか、散乱するシンバルとか、唾飛ぶホーンの嘶きとか、あと古い録音とか)にも弱そう。持っては行ったもののいそいそとしまい込んだディスクあり。
 でも、それこそ日本酒チックに言えば、そういう酒母を三段仕込みして今の自分の意図する発酵・熟成に至ったんでしょう?

 だいたいどこの家でもリファレンスに使っているディスクはよく鳴るもんです。togami邸ももちろんそう。togamiさんのお好きな鈴木祥子、再生日本一。「夏のまぼろし」、素晴らしい。「Hold me, touch me」、感涙モノ。岡村靖幸ほどの淫猥さはないけど「イケナイコトカイ」もグッド。そしてその良さががあんまりこれ見よがしでないんだな〜。
 並んだCD棚の様々なCDを聴いて、そして持ち込んだCDを聴いて、ある一定の共通点があるように思いました。

 それは”あたたかい”。ホット(熱い)じゃないですよ、あたたかいです。5月の海岸のような、日差し暖かく、海風はやや肌寒い状態。海風はAyreとAvalonのキャラでしょう。そして日差しはtogamiさんのキャラと思います。いいバランスじゃないですか。

 例えば私が持ち込んだ「Stripped/ローリング・ストーンズ」から「悲しみのアンジー」。togami邸のアンジーには温かな"救い"がある。O崎家のアンジーは"救い"がない。"悲しみ"というか、どこまでも落ちていく"嘆き"の要素が強い。「おまえと会えてよかった」という歌詞から推察すれば、たぶんtogami邸の解釈の方が意図しているような。

 例えば「The Sweetest Illusion/バーシア」からtogami家一発目にかけてくれた「drunk on love」。私も一時これをリファレンスの1枚にしていました。これがまた、O崎家だと飲んでも飲んでも冴えてる(ん、そういう歌詞じゃないか?)、うるさいから話しかけないでよ みたいな冷たい女になります。いいんだか、悪いんだか。togami邸は「ほっ」とするため息が感じられますからね。

 音は人なりですな〜。

 やっぱり、ここをこうしたいという静かなる野望はあると思うし、それが機器の購入にもセッティングにもよく現れていると思います。未知かつ高価なケーブルやアクセサリーに挑む姿も素敵です(ボクはそういうのはダメ。”たかが電線”が心の奥底にあって、どんなに効果があってもむやみに投資できないの)。失礼ながら、休日にあの立地から秋葉原へ行くのは相当に目的と根性がないとね。
 同じAyreを使っていても、真剣さがあると行き着くところが違うやねー。だらだらと浪人しているヤツと現役一発合格するヤツみたいなもんか。

togamiさん宅 今日は堪能しました。O崎さんの家より線がのたくっている部屋に入ったのは、専門店以外で初めてです。
 しかも、見掛け倒しでないところがえらい!
 あそこまでしてくれていると、今までは内心「線なんて、フン」と思って自分が、本当は単に理解できる経験がなかっただけだと気づきました。

 祥子ちゃん、一番良く鳴っていました。さすがです。

 ウェルテンバードも初めて聞きましたが、いいですね。見通しが良く、かつ、芯があり、まともな録音のレコードなら、「やっぱりアナログがいいね」と、某書のサブタイトルのようになっちゃいました。

 うちのケーブルは狭い場所にちらかっているだけ。togami邸はケーブル用の場所があるもんね。汐留の高層ビル群と新宿の雑居ビルくらい違う。価格的にも。

togamiさん宅 さてさて、ホームページでは見慣れた光景ですが、実物を見るとものすごい迫力があります。3次元に展開する極太ケーブルの様は正に”前衛生け花”(?)のようです。
 肝心の音の方は一言で言うと…

 「とてもウォーム」

です。
 自分の好きなボーカルを心地よく聴くためのシステム、という感じがしました。
 その中でとびっきり良かったのが、鈴木祥子さんのベスト盤。ボーカルはもちろんのこと、バックのインストまでとても良い鳴り方だと思いました。私が持ってきた矢野顕子のSuper Fork Songも自分のシステムでは聴いたことがないとても魅力的な歌い方を見せました。

 アナログはCDよりもスピード感があるよう思いました。普通のイメージとは逆のような感じがするのですが、これは恐らくtogamiさんのまとめ方の方向付けによるものだと思います。アナログもとてもいい感じです。

 そうそう、芯圧調整後のアナログサウンドはCD再生を超えてると感じました。
 送りだしソースとしてアナログに分があるかな。

 Ayre D1Xよりもアナログの方がいいとうのはAyre ファンとしてはちょっと複雑な心境。なんでアナログは心地よいのかな。今更ながら、不思議な話です。それほど力を入れていない我が家でもみんなそういうもんな〜。

togamiさん宅

 一曲目がかかったとき、「ボリュームが大きいなァ」と思いました。女性ボーカルをしんみり聴いているイメージだったのに、環境のなせる技なんでしょうね。さ、こっちは窓を開けると前の団地みたいな環境でオーディオに励むとしますか・・・。


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