afutura オーディオ訪問録 〜kazさん〜

下段に2003/12/14 upあり

2003/02/23「50's Jazz Power」

kazさん宅 大阪時代、三ノ宮にヴォイスというお気に入りの喫茶店があったことは何度も書きました。好きなJazz喫茶とはいえ、わざわざ往復の交通費 1,300円以上もかけて、コーヒー回数券まで買って、聴きに行っていたのですから、我ながらよほど居心地が良かったのでしょう。東京ではそういう店は未だ見つけられず。もしかしたらもうコーヒー回数券を買う、なんてことは一生ないかもしれません。

 お気に入りのJazz喫茶を探すというのは思いの外難しい。選曲、居心地、音量、価格、客層、音質、オーディオ、内装、場所・・・数多ある選択項目を満たさないといけないんですから。試しに、ひとつの項目で5%の店に×が出ると考えてみてよ。あっという間に1/3、1/10になってしまう!

 そんなにJazz喫茶が好きならば、自宅の音もそれに寄せてしまえばいいのに。ご当人はそんなことは微塵も考えていらっしゃらないでしょうが、少なくとも私がこういうシステムに行き着くならば、そういう胸中でしょう。
 kazさん宅です。

 ひゃおさん宅訪問の際に

 afuturaももうじき4年目。そうするとこの移ろいやすいネットの世界のこと、afuturaを支えてくれる人たちにも第1世代、第2世代みたいなもんができてきます。

kazさん宅と書きましたが、kazさんも超最初期から(一日のアクセス数が50hitとか、そういう時から)afuturaを支えてくださっている方のお一人です。でもお会いするのは初めて。そんなkazさんを、これまた重鎮の一人である出デンおじさんと訪ねてきました。

 kazさんシステム、2000年8月の時はこんな感じ。

CDトランスポート:Teac VRDS25XS
DAC:WADIA12
アンプ:Krell KAV300i
スピーカー:Westlake Lc6.75
SPスタンド:アコースティックリバイブ RSS504 (床にはTAOCボード)
アナログプレーヤー: ヤマハ GT750 (休眠中)
カートリッジ:シュアV15typeIII
フォノアンプ: シェルター 216

 ところが、2002年になってから

> 今年になってヴィンテージ・オーディオに目覚めてしまい、
> 資金捻出のために事ある毎にヤフオクを活用し、機材を入れ替えてきました。
> やっと最近まぁ、満足できるラインアップになりました。

> しかし、ヴィンテージに入れば入るほど、現代機器から出てくる音は
> 一体なんだったんだろう!
> と実感するようになりました。マジで、ヴィンテージから出てくる音は、
> 私が以前使っていたクレルのKAV300iとウエストレイクLC6.75から出てきた音
> よりも情報量も多く、且つ鮮度も高いですから・・・

kazさん宅ということでこういう布陣となったようです。聴く音楽は50〜60年代のJazzオンリーとのことですから、なるべくしてなった選択とも思えます。突発的な変化ではなさそうです。

CDトランスポート:Esoteric P-50S
DAC:WADIA15
アンプ:Mcintosh C11+MC240
スピーカー:JBL ランサー101
アナログプレーヤー: ガラード 301+SMEの3010R
カートリッジ:オルトフォン SPU-GTE クラシック、etc

C11なんて管球王国の取材で使われた機器そのものらしい。こりゃ楽しみだ!

 お部屋は5畳。はっきりいて広くはないですが、どなたの趣味なのか、かわいい小物いっぱい。そして鎮座まします往年の名機。その状態の良いこと! ミントコンディションじゃないですか。

kazさん宅 そしてそれを取り囲む現代のオーディオ・アクセサリー達。200Vの導入に始まり、CESの電源コンディショナー、PS audioやAETのケーブル、ルーム・チャンバー、タップもいっぱい、Mcintosh C11のインシュレーターなんてオーディオ・リプラスの石英だ^^
 さすが元(現在も?)電線病患者。新旧入り乱れてそれはそれはお見事です。そういえば、うちにも貸してくれたことがあったな〜。

 早速聴かせていただきました。というかkazさんのライブラリの中から私が聴いたことのないモノ、買おうかどうしようか迷っていたもの、そして我が家にもあるモノをチョイスして聴くというお茶の間商談会みたいなリスニングとなりました。迷っていたディスクが相当数あったので、あ〜よかった^^

♪〜♪〜〜♪♪♪〜〜♪

kazさん宅

 最近の流行りからか、ピアノがいい、ボーカルがいい、リズム楽器がいいという家や店は数多あります。その中で昨今kaz邸くらいホーンが麗しい(楽しく聴ける、でも結構です)システムはなかったですね。奥行きとか、左右への広がりなどは二の次、三の次。ビチビチ鳴る。前に出る。ブリブリ鳴る。前に出る、前に出る、前へ前へ出る。

 本当に近いんですよ、音像が。ミュージシャンに手が届きそう! たとえが悪いですが、ナイフで刺せそうなくらい近い。それに引きかえうちは定位とステレオイメージを重視した、主に竹内まりあや90年代ジャズの類が鳴るように調整されたシステムなので良くも悪くも遠いな〜。狙撃しないとダメだ。

 別にホーンを主眼にはおいていらっしゃらないと思いますので、無意識にも二十年以上も同一ジャンルを追い求めると、ピアノにしてもベースにしてもこういう厚く熱い実体感に着地するのか、という感じです。主なきJazz喫茶の音が個人宅で現代のテイストをもって昇華したのでしょうか。

kazさん宅一撃必殺

 私は精練されたジェリー・マリガンと下品なソニー・クリスが大好きです。ただ、AE2Signatureではホーンを咆吼させることができません。ですので人にもお聴かせしません。それに引き替え、本日の「サマー・タイム/ソニー・クリス」よかった〜。ちょっとびっくりしました。新たな目標ができました。
 ジョニー・グリフィンも、カーティス・フラーも、サラ・ヴォーンも、ジョニー・スミスもかっこいい。早速家に戻って3枚ほど注文を出しました。

 一芸に突出して秀でているわけで、私が持ち込んだ竹内まりあは散々でしたが、あれはkazシステムが悪いわけでも、ソフトが悪いわけでもないでしょう。人の持ち込んだソフトや私の感想など本当はどうでもいいのです。

 一瞬拝見したランサー101の素顔(レディの素顔は撮らないのさ。せっかく格子で化粧しているのに)。もしかしてLE14Aはオリジナルのゴムエッジのまま? 175DLHには俗に言う「蜂の巣」が付いています。珍しいですねえ。もうその手の店に行くか、kazさんのような個人宅に行かないとお目にかかれません。


2003/12/08「50's Jazz Power vol.2」

> 出デンさんからお聞きになっているかもしれませんが、以前お二人でいらした時とは
> 入り口の機器が変わりました。
>
> まず、CD関係ですがエソテリックP-50s+Wadia15からWadia 6の一体型CDPに、
> プリはマッキンC11からVTL TL2.5へと変わりました。そして、ガラードも里子に
> 出してアナログは諦めました。ガラードの新しい里親捜しの時は出デンさんに大変
> お世話になりました。
>
> マッキンC11を手放した理由はですね・・・ マッキンC11は年齢が年齢ですので、
> セレクターを切り替えると俗に言う「パッチン」ノイズがかなり出て所謂瞬間的に
> ショート状態になるのですが、そのノイズが発生する度にWadia6のプロテクターが
> 作動し、音が出なくなる症状が出るために、C11を取るか、Wadia 6を取るかの
> 選択を迫られ、結局Wadia 6を取ることにした次第です。
>
> 順番が逆になりますが、Wadia 6の入れ替えが一番最初で、以前からセパレートの
> CDシステムに対し、大仰すぎると感じていた際にタマタマ中古で自宅試聴する機会が
> あり、入れ替えてしまったわけです。
> このWadia 6は我が家に来てから直ぐに音飛びの症状が出たため、ピックアップも
> Assyごと交換してしまいました。(勿論販売店の負担です・・・)
>
> で、肝心のこのラインアップから出る音ですが、パワーアンプ以降のラインアップが
> 同じでも、或る意味同じ範疇ですが、細かいところはかなり変わりました。
> 以前よりは細かい音が聞こえます。シンバルの粒立ちもきめ細かくなったようです。
> 以前は直球一直線な感じでしたが、抑える所は抑える、というような多少変化球を
> 投げられるようになったようです。でも基本はあくまでも直球です。
> O崎さんが現状の音をどう評価されるか楽しみでもあり、怖くもあります。
>
> それと、治まったと思われた電線病も再発してしまったようです。今度の症状は
> 電線病というよりはカルダス病かもしれません。CDPの電源にはGolden Power、
> プリ〜パワー間にはGolden Cross、SPケーブルにはCrosslinkです。ちなみに
> CDP〜プリにはWire World Eclipse 3、プリの電源にはCustom Power Cord
> CompanyのModel 11 Type 2というやつです。
>
> ちなみにこれらの機器やケーブルはP-50s、Wadia 15、C11、ガラードを処分した
> 資金でまかなうことができ、一応持ち出しなしで済んでいます。

 今回、pippin-boyさんの「JBLの蜂の巣(175DLH)の音がどうしても聴きたい」というおねだりに応じて、kazさんと連絡を取ったわけですが、またまた8ヶ月ほどの間に激震があったようですね。プリをマッキントッシュのビンテージ機C11から、VTL TL2.5という最新機に代え、ガラード 301+SME 3010Rというアナログシステムに見切りを付け、CDプレーヤーをセパレート機からWadia 6という一体型にダウンサイズするとは。流れが速いですなあ。(おうかがいしたときはスピーカーケーブルがカルダスから謎のブツに変わっていました)

 VLTなんて秋葉原でも見かけないブランド(印象がないだけ?)。どこで聴いたんですかと問うと、輸入元から借り出した在庫品最後の一台とのこと。いただいたメールで交換の経緯はわかりましたが、VTLも管球式。やっぱり球と球で引き合うものがったのかしらん。導入わずか数ヶ月、ご本人は満足そう。

VTL TL2.5プリとMcintosh MC240
VTL TL2.5プリとMcintosh MC240

2003/12/14ここから

 人の家を久しぶりに訪問して、どう変わったかを指摘するのはホントに難しい。正直言ってよくわからないし、ご当人の“良くなったはず”“変わったはず”という思い込みが一番大きいので、私らヨソもんが指摘できるような事じゃないんですよねえ。今回kazさん宅も、プリアンプがマッキントッシュC11からVLT TL2.5という大きな変化があったにもかかわらず、ワタシが感じたことと言えば「ボーカルが微妙に若返ったかな?」「ジャズ一辺倒だった再生系が多少フレキシブルになったかな?」ということくらい。スピーカーを変えるくらいのでっかい変化がないと、ね。

 確かに失礼覚悟で言えば「聴けるジャンルが増えた」感じはしました。以前はホントにジャズ一辺倒(しかも時代制限付き)だったもの。
 実際前回訪問時の教訓をもとに持ち込んだ「松任谷由実/昨晩お会いしましょう」は、昨今ありがちななんでも明るい再生ではなく、愁いを帯びて肩の力が抜けた情感の感じ取りやすいイイ再生でした。長時間聴ける音。
 pippin-boyさんも映画「バニラスカイ」からタイトルソング「Paul McCartney/バニラスカイ」やエルビス・コステロ最新作から「スティル」、そしてこの時期話題の「Beatles/Let it Be Naked」を鳴らしてもらっていました。どれを聴いてもレトロな感じでは鳴るので、雰囲気出てますね。賛否両論の「Let it Be Naked」もそこそこ。(←これはkazさんのせいでもなんでもない)

 ただし、ワタシ的にはなんというか、フレンチの名シェフが和食の料理を作ったみたいな、味は旨いけど本筋からは逸れているみたいな、生鮮品なのに干物っぽいみたいな、そんな印象は受けました。

 やっぱり、kazシステムはブリブリのジャズで生かさんと!

 またまた聴かせていただいたカーティス・フラーも、ソニー・クリスも、アート・ペッパーも、ウェス・モンゴメリーも、シェリー・マンも、グラント・グリーンも、ウひょひょひょひょ〜〜〜って感じ。いい、ウひょひょひょひょ〜だよ? 普通自分の家でウひょひょひょひょ〜と鳴るソフト(もっと言えばジャンル)なんてそうはないはず。リクエストを次々出したくなるし、音像も相変わらず近い。
 それがあるんだから、器用さがなくたって、いいんじゃないかな〜。

 こういうシステムなのに、kazさんは電源系とかアクセサリー類とか凝りまくり。室内配線の工事も既にしているし、巷で流行る前に導入しちゃうからすごいわな。今は電源ケーブルはカルダスに凝っているらしいけど、半年後はどうなっているのかしらん。我が家は機器にしろアクセサリー類にしろ変化が少ないので、ちょっとうらやましい感じもします。

kazさん宅全景

 kazさんのこのリスリングルーム、確かにほぼオーディオ専用だけど5畳ほどで、実は全然広くない。広くないけど、ワタシはこの部屋がどうにも落ち着くんです。理由を少し考えてみたところ、思いつく点あり。
 大阪時代のワタシの部屋に雰囲気がよく似ているんです。
 絨毯の色とか、壁紙の質感とか、クローゼットとか、機器の配置とか、なんか微妙にいい感じ。この空間で一人になって音楽に浸れたら、そりゃ幸せだろうと思いました。


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