afutura オーディオ訪問録 〜K-moriさん〜

2005/02/24「マッキントッシュ(その1)」

 「ああそうか」
 家に帰ってから思い出しましたわ。

F103ファーネス それはもう20年弱前の話。確か1987年当時のラ技誌に「マニアにウワサのマッキントッシュ XRT20自作で手に入れる〜トゥイーター・アレイ・システムの制作」(右写真)という記事が載りました。 私はそれをむさぼり読んだんですよ。

 当時ワタシは大学生、駆け出しの自作派で、ご多分に漏れず故長岡鉄男氏の本を読みあさっていました。建て替え前の実家で、使っていたのはヤマハの3way NS200Mでしたが、この何年か後、リファレンスは長岡式D-101Sスーパースワンになるんだねぇ。

 そうそう、でマッキンスピーカーの話。ツイーターを複数個使用するアレイはコピー機といえども余りに大型で、そして何よりウーハー×4、スコーカー×2、ツイーター×48個も買う財力がなかったの。当時はフェアでも見聞きしたことのないマッキンスピーカー、その容姿に興味津々だったんだねぇ。

 どうやらツイーターカラムにはその後も興味を持ち続けていたらしい。長岡鉄男の工作本(最新スピーカークラフト@〜B)を見ると、スワンはもちろん、D55、F-2000ネッシーJr.といったバックロードホーンや共鳴管に並んで、 F-103ファーネス(右写真)にも印が付けてありました。(← こんな型番、わかる人しかわからねえ^^;)

 マッキンスピーカーは今でも店頭で見かけることはありません。菅野御大が現在も使われていて、それで名声ばかりが高くなり実体は誰も知らず、みたいな感は否めない。フェアではさすがに耳にしますが、姿には惚れても音に引き込まれることはないもんね。
 2004年インターナショナル・オーディオ・ショウで一年ぶりにマッキンに触れて、『誰か「これぞマッキン、王者のスピーカー!」という音を聴かせてくれないか。雑誌ばかりで絶賛では面白くありません』、そんな感想をHPに書いたら

音処探訪読みました。いい写真ばかりですね。
私が、「これぞマッキントッシュ」という音を聞かせてあげますよ!
栃木なんて、近いでしょ。
是非、来てください。

 メールをいただいてからご訪問まで4ヶ月以上かかっちゃった^^; でもきちんとしたマッキントッシュのスピーカーに触れるチャンス! 使われているスピーカーはXRT26。k-moriさん、afuでは割と早い時期からおなじみなのですが、メールばかりでお会いするの初めてなの。
 明け方の地震と大雪をものともせず、我が家から快速に乗り、単線に乗り、お出迎え車に乗り二時間半、栃木のk-moriさん宅へ向かいましょう。

2005/02/25「マッキントッシュ(その2)」

K_moriさんルーム
おお、後光が差してる。。。

 18畳のオーディオ(AV)ルームに足を踏み入れてビックリ。事前に写真で拝見していた立派な機器群もそうですが、昨今こんな静かな部屋に入ったことない。吸われ過ぎちゃった静けさじゃなくて、漫画であるような「シーン」という吹き出し音が聞こえるような静けさ。そりゃ、部屋の外は雪だったさ。失礼ながら車もあまり通らないような田舎さ。二重扉でルームチューンもされているさ。しかしそれにしてもなぁ・・・我が家は隣のテニスコートのパッコンパッコンが聞こえるし、電車の音も聞こえるし、 生活雑音はもちろんだし。

 これ前もどこかで書いたかな? 細かいこと忘れちゃったけど、筒井康隆の短編小説 「にぎやかな未来」で、街は音と音楽であふれ、家の中でもラジオのスイッチを切ると罰するという法律が制定された、しかも演奏の合い間30秒毎にCMが入る有様からたまらない!なんてのがありましたな。主人公はCMのないレコードを買い求めにいくわけですが、一番高価な10万円のレコードにはどんな曲が入っているのか・・・続きが知りたい人は本を読んでね(^^

 しかし、素敵なとこです。機械はともかく、部屋は欲しい。最近、広さよりも近さを求める傾向があるのですが、考えぐらつくね。

 さてさて、システムは以下の通り。

クロック  : LUCID GENX6 96
CDトランスポート: エソテリック VUK-P0s、バークレー F1-CD(冬眠中)
DDC    : インフラノイズ ABS-9999
DAC    : マークレビンソン 360SL
プリアンプ : マッキントッシュ C200
イコライザー: SONATA OP-1、マッキントッシュ DG38(冬眠中)
パワーアンプ: マッキントッシュ MC1201
スピーカー : マッキントッシュ XRT26

 リアスピーカーが以前使われていたというJBL4344ですからねぇ。
 メインでないCDトランスポートがバークレーF1ですからねぇ。
 イコライザーはDG38を卒業してsonataですからねぇ。
 オーディオ経歴言わずもがなですねぇ。

ラック裏
機器背面、ラック裏が大きく空いていればこそ

2005/03/02「マッキントッシュ(その3)」

 K-moriさんのディスク・ライブラリは70〜80年代のロック・ポップスとクラシックが 並びます。クラシックは全然わからないけど、ロック・ポップスはキッスやらクイーンやらホール&オーツやらTOTOやらボズ・スキャッグスやら、どうも趣味が合いそう。

クイーン
熱烈なクイーンファンを感じる一枚

 ワタシが持ち込んだいつもの試聴曲を聴き、K-moriさんのお宅のCDを聴いたわけですが、たぶん最初に発した感想。

 「マッキントッシュって普通に鳴るんですね!」

 失礼? すんごく誉めたつもりなんです。

 普通なんですよ。ボーカルは普通に目線やや上に定位するし、変な音像は当然できあがりません。緩くもない。部屋の恩恵があったとしても空間広く、それでいて点からビーム状に発する音とは明らかに違う何か。ワタシはずっと中央で聴いていたので確認しませんでしたが、左右で聴いても中央定位が余りぶれないらしい。

 モノにはイメージがあるから仕方ないとはいえ、度が過ぎると風評だったり刷り込みになったりします。AE2ですら「こういうユニットの配置はボーカルが縦長になる」と 言われたくらいですから、ツイーターカラムのマッキントッシュなど言わずもがな。 K-moriさんも風評と戦ってきていることも予想できますな。

 口元が点のようだとか、ものすごい奥行き感だとか、そんなことは申しません。ただ単純に考えればツイーターが片チャンネル23個あるわけで、ものすごい余裕を感じます。大体大型のホーンでも積んでいない限り、高域はエネルギー不足(帯域じゃないよ)だと思うからね。1/23のエネルギーの余裕がリニアリティの良さを生み出すのかしらん。

 イメージ的には大型の草食動物。。。
 草原のゾウ?
 走るキリン?
 眠るカバ?
 う〜ん、どれも違いますね。早く泳ぐクジラみたいな感じが一番近いか。あ、クジラは草食動物じゃねぇな(~~)

2005/03/12「マッキントッシュ(その4)」

 K-moriさんはマッキン付属のボイシング・イコライザーを使用していないとのこと。正確に言うと、イコライザーで調整して調整して調整して好みに合わず、DG38を使用し、今はそれも卒業してsonataを使われているとのこと。調整もやり尽くしたようで、sonataには触りたくないらしい。気持ちわかりますな^^ ワタシなんかもDG28であれこれやっていましたが、妥協点が見つけられないというか、どこで妥協してもよくなっちゃう。だからこそ、ピタッとハまるセットが出来れば触れたくないのも道理です。

XRT26 しかも右写真のようにツイーターコラムのベースをアルミで特注されちゃってます(しかもスパイク受けだよ)。オリジナルだと壁に着かないかったというご説明だったと思いますが、なかなかね。こういうことってやらないでしょう。高額機になるほど使用者がオリジナリティ重視になるのはやむを得ません。

 XRT26をマジマジと見聴きして、気づいたことあり。順不同、内容不問。

 確かにポップス、ロック、ジャズはよかったですよ。でも、一番よかったのは最後にk-moriさんのかけてくださったクラシックの各曲でした。
 これほどまでに、高さ表現に優れるというか、音が部屋に満ちる感覚を味わったことはたぶんないです。音響のよい、小さいホールで聴いているような、まさにそんな感触だもの。こりゃビックリ!

 小型スピーカーという“点”から“放射”する高さ表現と、2m10cmのカラムという“直線”から“発射”する高さ表現と、もう全然違うんですな。文字にしてしまえば当たり前ですが、これは体験してみなければわからないでしょう。
 スゲー! コレ欲し〜!

 そう、欲しくなりました。自分の節操のなさにもビックリです。でも軽々しく欲しいとHPには書きますが(筆が滑る&確かにちょっとは欲しい)、人の家で聴いて心底欲しいと思うモノは実は少ないですよ。XRT26は欲しい。
 マッキンスピーカーって、オーディオ用はもちろん、中央に大画面を置いてAV用にでもしたら最適なんじゃないかねえ。今回は体験しませんでしたが、K-moriさんは現にプロジェクターで大画面を楽しんでおられるご様子。うらやましい。

 マッキンスピーカーは確かに時代にはそぐわないですよ。元々スピーカーに対する情報が少ないことに加えて、名声だけが先走り、ユニット数は多いし、ネットワークは複雑、イコライザー必須で、ウーハーは密閉型な上、位相も揃っているようないないような・・・。“偏見”と“先入観”と“誤解”と、そしてそれは何より“いいコンディションでの試聴機会の少なさ”にその原因があります。

 なんかみんなに聴いて欲しいな。好むと好まざるとに関わらず、感じるモノはあると思います。意見が言いたくなるはず。

バークレー F1
この美しいバークレー F1がメインでないとはもったいない。
その音は我が家のクレル MD20と一脈通じるものです。時代なのか、フィリップスのメカなのか・・・


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