2003/08/31「パラゴン」
ごんたさん宅にはpippin-boyさんに連れて行っていただきました。ごんたさんは大阪のドクター。そのドクター宅に大型スピーカーが二組あるらしい。しかも一組はあのパラゴン。そして4350。みんなパラゴンに思い出ってあります?
私は初めてパワーアンプというものを買った約10年前、ちょうどその日その店にパラゴンがおいてあり、そこで聴いたんです。アンプは何だったかなあ。マッキントッシュだったか、アキュフェーズだったか・・・とにかくものすごい期待を持ってました。今も昔もデザインに優れた機器は好き。
出てきた音の印象を、実は忘れてしまいました。ハイファイではなかった、その程度です。ただ店員の一言は覚えてます。
「名機と言ったって、こんなものですよ。」
あの野郎、若人の夢打ち砕きやがって。ちょっと疎遠になっちゃったじゃないか。もしかしたらパラゴンを聴くのはあの日以来かもしれません。少なくとも個人のお宅では初めてと思います。
pippin-boyさんのメールを絡めて書いていきますね。
知り合ったきっかけは、Pippinの人違いで、私のHPに書き込んでくれて知り合いになりました。
ビートルズのいい音をなんとか聴きたいとの「要望」でしたので大津にあるビートルズ、オリジナルUK盤(モノ)、モービル盤をしこたま持ち込んで、試聴しに行って参りました。秘かに、クイーンのオリジナルUK盤2枚と、チェックCDを各種。その中には、O崎さんのリファレンス、古内、ストーンズも入れて。あとはYMOのCDも。
おいおい、パラゴンにYMOを持ち込むとはさすがPippin-boy大先生。しかも「テクノドン」じゃないっすか(^^)。やることが違うねえ。
お部屋は女性の手の入っていない感じがありあり。12畳?
もっとあるかな。とにかくパラゴンが大きく見えたことだけは確か。丈は高くないとはいえ、壁一面に広がる左右一体型スピーカーなんて他にはそうそうないもんね。このお部屋に入れるのも相当苦労された様子。
外見も最近手に入れられたにしてはきれいなもの。私も中古品を買うときはキズをよく見るのですが、それは見た目の問題だけじゃなくて、その機器がどういう扱いを受けてきたか見えるような気がするから。キズがダメと言ってるわけじゃない。なんかその既往を推察したいんですよ。
先生宅の機器は・・・
スピーカーは言わずと知れたJBL パラゴン&4350
プリアンプはマッキントッシュC22、C29(未接続)、
パワーアンプはマッキントッシュやクレルなどがゴロゴロ、
アナログはトーレンス、
CDプレーヤーは、ゴールドムンド、パイオニア
電源はCSEから水道管のメーターのような電圧切替機(^^)まで、などなど、
機器が多すぎて、パッと行った人にはどうつながっているのか全くわからず。何があるかは、もう写真を見て推察してくれい。
最初は ビートルズ。オリジナルモノ盤。よかったものの、Please Please Meの醸し出すパワー感が出ない。モノ盤負け。先生も顔色が変わりません。
次はCD。古内もストーンズも良かったです。キースの奏でるギターには、色気、艶がありました。「先生、患者さんが・・・」
ここで、残された二人は、クイーンを堪能。いやぁ〜〜、クイーン最高。いつもは、再現するのが難しいダンゴ状態のコーラスもサウンドも、パラゴンが楽々と再現。部屋中にクイーンの世界を広げます。
ボクはビートルズ良かったですよ。モノ盤はうちなんかで聴くと妙なクリア感があるんです。クッキリは見えるけどエッジにざらつきがあるみたい、そんな感じ。その点パラゴンは違う。ウワッと音の固まりが中央に立ちます。
私が持ち込んだ古内東子とストーンズは逆に新しいスピーカーで聴いた方が栄えると思います(音色は別よ)。位相をいじった疑似音場ではありますが、それでも仮想の音場は感じられるのにパラゴンではやっぱり「面」になってしまう。
それに対し、クイーンは良かった〜。大体どこで聴いても薄く聴こえることが多いんです。それが厚い! これはちょっとビックリしました。そりゃ確かに「面」なのですが、要するに長所が短所を上回ればいいわけで、これはめちゃ堪能。実際このクイーンの大音量再生でパラゴンが目覚めたようで、後から聴くものみんな良い。
先生再登場。
それでは、モービル盤をということで、鳴らし始めたところ、マジックは起きました。「クイーンの息吹」が吹き込まれたパラゴン、ジョンが真ん中にすくっと立ち上がり、コーラスは、気持ちいいぐらい、左右の375ドライバー+ホーンから鳴らします。先生曰く「これだよ、これ!」「こんなビートルズ、聴いたことない」「これは、何処で手に入るの?」
活き活きとなるバンドサウンドの再現を目指しているものにとっては、最高だったのかも。このバンドサウンドの再現は、次なる展開で判りました。
液晶プロジェクターをおもむろに取り出してくれまして、パラゴンの上に、画像を。ビートルズ、プリプリ、レベッカ、サザンのLDを。いやはや、まずいものを観ました。やばいっす。プリプリ最高。「M」観たら、泣いちゃった。
どんなに思い入れがあっても、普通人の家で泣かないでしょう。恐るべしパラゴン。
前にオーディオ日記でこんな感想を書きました。
一言でいえば、「ああ、大型スピーカーっていいな」「音そのものに魅力があると多少の欠点は飛ぶな」ということ。わかるかな〜、小型スピーカーを使う私が言う大型スピーカーの魅力。最新の小型スピーカーが(あるいは昨今の録音が)優れている点なんて、言わずもがなでいくらでもあるわけ。そして多くの場合、大口径スピーカーではそっくりそのままそれがデメリットになったりする。そのデメリットが目立たない、あるいは長所を際立たせて魅せるというのが、私みたいな立場から見た大口径の魅力。
それがここにありました。なんだろ。レストランなんかでも(値段ではなく)「格」を感じることってあるじゃないですか。店の雰囲気と極めて上質なサービス。料理も超最高というわけではないのに、その味には一つ抜きんでたところがある。そういうイメージ。この「格」が昨今のスピーカーでは極めて出しにくいんだ。
スポイルしない、色づけしない、ディスクの情報を全てを出す、というのが昨今の流行りだと思うし、私自身もどちらかといえばそちらに振れているはず(AEや Ayreといった機器の選択を見てもそう)。ただこれは‘完璧な着こなし’みたいなもんで、真のオシャレは‘着崩し’にあり、でしょ? 服に着られるのではなく、馴染ませて自分のモノとして取り入れる、そしてそれを見せる。結局そういうことが最終的に「格」に通じて行くんだと思います。
実は4350ももちろん聴かせていただいたのですが、実に申し訳ないくらい印象が薄い(あの場ではいいと思った。今、文字にならないんです。定位が高い位置にバシッと決まることくらい)。それくらい私にとってはパラゴンが目立ったということでしょうか。
訪問後、ごんたさんからご丁寧なメールを頂戴しました。ちょっと抜粋。
一時、パラゴンも4350も同じ音がしていた時期がありました。どちらもマッキンで駆動していたんです。でもそれじゃ2つ持っているイミがないからというので、ある日クレルを借りて4350につないだら、これだ!と思ったわけです。
やわらかな熱いサウンド。4350は今様のSPの如くにはいきませんが、それでも定位や音場を少しだけ楽しんだりできるSPなので、聴くソースはクラシックかボーカルものだけに限定してしまおうと決めました。で、ああいう状態なわけです。
まだまだこれからも修行です。
大人のメールですね。4350をクラシック用にということであれば、無知な私がその良さを解さなくても当然です。
我が家にスピーカーが2組みあったら・・・そうですね、やっぱり全く別な方向に振るでしょうねぇ。