afutura オーディオ訪問録 〜金Bさん〜
2004/01/07「脈打つ葉脈」
破壊系酔っぱらいの金B(通称:きんたま)さん宅を訪れてきました。茨城だから我が家からそんなに遠いわけじゃないのにずいぶんと遠くまで来たような気がするのは、精神的距離があるんだな、きっと。
金Bさんは少し前に我が家に来て、いろいろ指摘してくれました。私的には着目点が増えたので非常にありがたかった。今度は私が恩返しせねばならんでしょう。
築40年の我が家もボロ屋ですが(壁リフォームしたから見た目だけきれい)、金Bさん宅も別な意味でボロですな。うちの田舎によく似てる。ウォシュレットの設置された汲み取り便所という新旧文化のブレンドに涙を隠しきれませんでしたわ。
そんなお宅のリビング(?)にシステム5が鎮座しているの。いや、システム5だけじゃない。P0もムンドもデンと構えてます。部屋は6場和室、だけど試聴場所背後の襖を撤去ししているから、再生空間としては広いですね。
私はウィルソンも好き、ムンドも好き、P0も音は悪くない、MSBは代理店試聴室までのこのこ出かけていったくらいですから気になってる。こんな機器から奏でられるもの、それは・・・
> 金B宅にて試聴した第一印象。これは予想した通り。音楽性を排除した「解像度オンリー」な音。
> びっくりしたのは、目を閉じると、五月蠅いばかりにキラメく音数の多さ。
> ソフトに入っている以上の音を出しているんじゃないかな?と思うほどの印象。
> 「ウエスタンラリアート・オーディオ」と名付けたシステムは、一体どのへんに「面白さ」が
> あるんだろ?てなわけ。長州力が無理矢理ねじ伏せてしまうウエスタンラリアート!
> 「録音の悪さ」を良しとして、そこから解像度アップを楽しむのに、
> 高額なシステムを構築する!なんか図式的におかしくないか?
音楽性なんて曖昧なものは私にはよくわからない。でも“奏でる”よりも“再生する”がふさわしいことは確かですね。Pippinboyさんは解像度と情報量を連呼してましたが、私自身はあの場ではそう言う認識がありませんでした。ただ、我が家に帰って聞き直すとそりゃ違う。確かによく見える。曖昧な部分が少ない。微視的な音です。
Pippinboyさんの命名は「ウエスタンラリアート・オーディオ」、でもそんな大まかな技じゃない。「指四の字固めオーディオ」「ロメロ・スペシャル・オーディオ」「テキサス・クローバー・ホールド・オーディオ」、いや、そもそもプロレス技に例えられる音じゃないんだな。もっと現代的で、カミソリの切れ味なんだから。
JPOPSや演歌を中心に聴いているらしい。このシステムは焦点が非常に合っているので、かえって聴き難い曲が出てくると思うけど、金Bさんはアラはアラとして見えないとかえって疲れるらしい。森でも木でもなく、葉の葉脈がビクンビクンと脈打つところまでも見たいらしい。私も眼鏡をかけないと(眼前がぼやけた状況では)何もする気が起きませんが、それと同じなのかしらん。
でも変わってるよな。普通は聴くジャンルが限られているならば、アラを隠す方向でシステムを組むと思ったからです。私ならそうする。スピーカーをアルテックの604にするとかさ。
> 段々聴いていくうちに、金B選手には失礼承知のうえで、色々聞いて指摘してみた。
> 「この音を望むんであれば、もっとポッカリと空中に浮かばせたいんじゃないの?」
> 「音像にこだわるんであれば、試聴位置が上から見下ろす感じで、適切な位置じゃない」
> 「同様に、センターラックだから、せっかくの空間がもったいない」
> 「御影石の音がウイルソンのスパイクを通じて、のりすぎ」
> 「SPの前の床が、ペコペコしてるんで、低域がかぶってきてる」
> 「SPの存在を消したいんじゃないの?」
> 色々指摘もしてみたし、事前に昔のステサンを読んで、色々研究もしてみました。
> 確かに、 P0から出てきた「音」は素晴らしい。けど、何故か感動させるものがない。
> 圧倒的な「何か」がない。
> コステロ「スティル」も良かったし、Zepp「アキレスラストスタンド」も最高。
> ボンゾのドラムスとペイジのギターの分離感も最高。けど、ペイジのギターに艶・色気がない。
なかなかの指摘に感心しました。我が家でもそれくらい冴えてくれればいいのに<<pippinboyさん。センターラック撤去や音像を見下ろす感じはイヤという意見には賛成。センターラックでない方が操作性も上がるし、金Bさんの目指す音にも近づきやすいと思います。上半身の輪郭出るまで追い込みたいんでしょ?
スピーカー :Wilson Audio System 5.1
パワーアンプ:Goldmund Mimesis 9.2 (A20 Module Upgraded)
プリアンプ :自作(テクニカルサンヨー製ベース)
DAC :MSB Platinum Link DAC Plus tuned up by NAOK (230V)
CDトランスポート:Esoteric VUK-P0 (Upgraded)
CableはNAIT式 プラチナケーブル 、NAIT式 3mm銀単線 、NBS Statement Extream等々
AE & Ayreユーザーとして、この分析的な音は悪くないです。というか、我が家はスピーカーを浮遊させ、CDトランスポートをP2S → MD20とした段階で、解像度3歩くらい後退なわけですから、無くしたものを取り返したい気にはなりました。AE本来の持ち味からすれば、美味しい部分を逃している気もします。それに私は別にこういう音を聴いていても疲れないの。大体、こういう音と格闘できなくなったときが“老化の始まり”なのと違うか? 金Bさんも私もきっとまだ若いんだよ^^
> 金B選手は、自分に凄い正直。嘘は許せない。つきたくない。「いやな帯域」というのは、
> きっとソフトとかシステムとかが施している歌手の艶・色気なのかもしれない。
> 「施しを求めない」求道的なシステム。これだな!金B選手が求めている「音」は。
> 「デジタルリマスター・サウンド」とも言ったな。
> 素材を再生してくれるサウンドとしては最高。「素」な音が一杯つまった金B選手の「システム」。
「デジタルリマスター・サウンド」という例え、金Bシステムを一言で語るには適切ですな。やっぱりすごいはっきり聴こえるの。埋もれていた音像が浮かび上がって、各楽器間の分離が極めて明確。新鮮さがある。ただ、リマスタリングの悪評がそのまま当てはまるわけで、時代感が失せたり、オーディオ用語で「産毛が生えた」みたいな感じがない(恐らくこれがpippinboyさんの言う音楽性につながるのでしょう)。やっぱりツルツルしているんだよねえ。
しわのないきんたまぶくろみたいな音だ。
金Bさんは悲劇のヒーローです。気は優しくて力持ちなのに、顔がウィルソン向きじゃないからJBLにしろと言われ、samsaraちゃんには「金Bさんがいないから(スカートの裾は)隠さなくていいです」と言われ、嫁を窓から投げ捨てた一件で「外道」扱いされるこの悲劇。
がんばれきんたま! オヤジとチューしてる場合じゃないぞ!
何を問うてもハキハキと返事が来る。自分の意見が極めて明確なのはうらやましいくらいです。さすが、確固たるものがないと嫁は投げ捨てられんわな。
<追>
フォローにもなりませんが、金Bさんは極めて繊細なセッティングをしてます。この緻密さがあの焦点を生んでいるはず。我が家のいい加減さを見て「セッティングが甘い」と言ったのもうなずけます。見習いたいもんです。
<追追>
我々帰宅後、正月を挟んで早速機器の移動をしたらしい。動き早いねえ、そういう顔じゃないけど。