afutura オーディオ訪問録 〜DWs'会長さん〜

2004/10/02「Amatiを浮遊させたい」

 DWs'会長からCelloのスピーカー Amatiを浮遊させたいという相談を受けたのは8月上旬のこと。何故に? MFB(マグネット・フローティング・ボード)を作り、自分でいろいろ浮かせてみて何Kgでも浮遊可能という認識はあったものの、浮かせば問題全て解決なワケじゃない。実際にお越しいただきAE2Signatureの接地・浮遊の両パターンを聴いていただきました。これは日記に記した通り。

 会長、早速試すと言い残し、滞在時間1時間、夕暮れの街に消えていきました。(会長からのBBSへの投稿を引用します)

 O崎さんの空中浮遊AE2を聴かせていただきました.
 O崎さんには,慌しい試聴を快く引き受けていただき感謝しています.ありがとうございました.
 afuturaを検索すると,空中浮遊は切り端があまくなるとか書いてあったのでちょっと心配していましたが,これはあまい低音ではなく,おいしい甘い低音ですね.あの北千住の大福のようなすばらしい甘さです.
 この弾んだ甘さを,俺は健康な肝臓の触りここちと言ったんですが,まさに肝硬変ではない健康ないい感じの弾んだ硬さです.そんなこと書くとかえって伝わらなくなってしまうのはわかっているんですが,あの時にまず頭に浮かんだのがこのelastic hardと表す感触でした.趣味の極道のvinvan先生やEwanさんなら,あーそうかって感じてくれるはずです.
 高域もそれに引きずられて甘めになってきます.エコーの付加が多くなり,もともとAE2のバックスペースは大きくとってありますが,さらに奥行きが増したようです.声の艶も増して,地上に降ろしたAE2はハスキーにさえ感じます.Amatiでやった場合の効果は,異なる可能性はありますが,それをおしても実験してみる価値はあると結論が出ました.
 空中浮遊ももちろん素晴らしいんですが,AE2の鳴らし方の見事さに脱帽です.しばらく前まで自分でもAE2を使っていて,これはダメだと断言していたんです.AE2に対して,たいへん失礼なことを言っていました.O崎さんのはAE2 signatureですから,普通のAE2とは違いますが,それにしても空中浮遊しなくても素晴らしいの一言です.畳一畳以上の発音面積から出ている音に慣れきった耳は,O崎さんのAE2の,針穴写真機のようなどこまでもフォーカスのあった音にはしびれました.
 どこかで聞いた音像だなーって考えを巡らせると,思い浮かんだのはEWANさんのウイルソンの鳴らし方でした.それから金Bのウイルソンも似たような音の並び方ですね.
 帰宅してから,EOSをアンコールとパフォーマンスIIで鳴らしてみました.O崎さんのAE2と勝負するには,武器はEOSしかありません

 あれから2ヶ月、Amati浮遊の報を受けました。その雄姿をみたいじゃないですか。そもそも小型(あるいは小口径)スピーカーと中大型スピーカーとはその意義が違うはず。特にユニット以外は振動させまじとエンクロージュァがガチガチに固められたAE2SignatureとAR LSTをスペシャライズした、どちらかと言えばエンクロージュァの共振も含めた音作りがされた印象のAmatiとでは、目標は同じでもその到達予定経路が全く違います。スピーカー設置の基本は今も昔も、堅い床の上に、重いスタンドや台でマスを稼ぎ、がたつきがないようにして、振動をInsulate(遮断する)ことでしょう。“微振動を逃がす”ではなく、“微振動を押さえる”でもない、それとは別の“微振動から逃げる”という発想はどこまで通用するのでしょうか。

DWs'会長宅

 会長宅の機器構成は6つ以上の機器が覚えられない私にはチンプンカンプンですが、別にいいんだ。購入・実験・売却・保管を繰り返す会長宅は行くたびに違うんだから。

SA220 会長は同じ機器を買い直すことで有名。「3回買って良さがわかる」という深い言葉に頭をたれました。ここらへんはSS誌での菅野沖彦氏とのやり取りに詳しいです。会長は「買ってみてよかった」という製品ではなく、「手放してもどうしても忘れられない」製品に魅力を感じるようです。わかってますって。オーディオ機器も女性も、好みなのに自分の意のままにならないのがお好きなんでしょう(爆

 会長宅はトラブルが楽しい。この日もカウンターポイントの名パワーアンプSA220が閃光と共に昇天し、オリジナルのアンプジラも異音を発します。会長多少のショックは受けつつも、このトラブルを楽しんでおりました。速攻でSA220の天板を開け(右写真)、JBL4355のユニットを取り外し、と、フットワーク軽い軽い。ほら、やっぱり“意のままにならないのが好き”だ^^ 第一機器数にだって余裕があるから、ワタシなんかの機器が壊れたときとは対応の余裕が違う。大体、こんなシャンデリアの下で聴いている人が、ガツガツしているわけないじゃんか!

DWs'会長宅

 今回の主役は本妻JBL4355×2じゃなくてAmatiだったっけ^^


『Cello』黄金のエンブレム

 KrellのKMA100につながれたAmati、接地状態(仰々しいけどこれが普通にスタンドに乗った状態)と磁石による浮遊状態と交互に比べました。Amatiは大きさの割に軽いですね。やはり、エンクロージュァの鳴りも考慮したスピーカーなのでしょう。
 接地だけを聴けば、広い部屋とスピーカー形状が相まって、横に広がる厚手の音場が展開されます。大ざっぱでやぼったいと言われればその通りながら、Old JBLやAltecのような濃い音像がボッと中央に。「小さく浮かぶ」が昨今のスピーカーなら、Amatiは「大きく在る」イメージなんだ。


実物はょっと感動的。はめ込み型スタンドのAmatiに合わせて作らてれます。

 3人がかりで変更した浮遊状態にはビックリしました。ワタシだけじゃない。同行したピピエコさんも、持ち主の会長も驚いていたと思います。会長は普段お一人でセッティング変更されていらっしゃるそうですから、そりゃ、手際よく変更すればその差もよくわかるでしょう。

 「レビンソンはこう鳴らしたかったんじゃないか。聴かせたい。」

誰ともなく発した、変更後の変化を適切にあらわした一言です。我が家のAyre K1購入時、比較したのはLevinsonのNo.380SLでしたが、こういうイメージだったなあ・・・なんとも言えない密度と空気感。広い会長宅を生かす、というかJBL4355に挟まれたセッティングの割に表現が3次元的なのです。左右斜めにもユニットの付いたAmatiが生き生きとなり出したなぁ。AE2Signatureよりフローティングの効果が大きいような気がするもん。

 どうもいろいろなところから話を聞くと、スピーカーの大小を問わず、フローティング効果の方向は一緒ですな。AE2Signature以外のスピーカーで聴くのは3回目。どれも我が家のAEの変化と同じ印象があります。特に今回の場合はエンクロージュァの響きが解放されたようなオープンさがありますね。浮いているのもいいんだろうけど、“きちんと鳴る”底板を含めて響きを遮るものがない、Insulateされない良さがあるんだねえ。ユニット口径が大きいと、もしかして多少なりとも前後のぶれがあるかと思いきや、敏感な指先で確かめてもそんな感触は微塵もなし。スタンドの振動もフローティングすることで非常に少なくなりました。


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