Channel 5 〜 2003/03/01 かみさま、ひとはなぜ考えていることをそのまま実行できないのでしょうか。
なぜ、思いがけない行為におよんでしまうのでしょうか。あんなに試聴したのに。
そして試聴した中から選ぼうと思っていたのに。
小さいものにするつもりだったのに。
お金をかけるつもりはなかったのに。
スピーカーの中古はやめようと思っていたのに。
妻の同意を事前に得るつもりだったのに。
機能性を重視するはずだったのに。
スピーカーのキャラは似せようと思っていたのに。
5.1ch 1セットの方が楽だと思い始めていたのに。なぜ。
なぜ。
なぜ・・・
決め事はあったものの、案の定マルチチャンネル用スピーカー候補は二転三転しました。結局自分の決めたことなんて、自分で簡単に崩してしまうんだよね。
スタイルの全く気に入らないAVALONの「シンボル」(左写真)が良い音を奏でていればふらふらと底面積を計ってみたり、エラック「シネマ3」(右写真)のサテライトの小ささに惹かれてみたり、インピーダンス4Ωでハナから選択外の(大きさも、価格も!)Thiel「SCS3」を買う寸前まで思い詰めたり、afuturaを読み返して自分がほめたビクターの「SX-DD3」の再確認に行ったり、マグナットの「ビンテージ 110」の笑えるあばれっぷりに魅せられたり、やっぱり面倒だからボーズで全チャンネルを揃えるつもりでボーズ「111AD」を実家から取り寄せてみたり、海外のサイトでAE1Signetureの中古を探してみたり、雑誌でX処理が評判になれば怪しいながらもそれを聴いたり、KEF「KHT2005」のシックな手触りを大いに気に入ったり、自作したろうかとフォステクスのユニットを選んだり・・・ホームページには現れない楽しい葛藤がありました。
特にKEFは大きさといい、デザインといい、音質といい、ホントに買おうかと思った。やっぱり初心者で、かつ広くない家に住んでいるには10cm口径くらいが適当なんだよね。しかも5.1ch分揃っている。
ただ、ただ、やっぱりサブウーハーが必須なわけ。口径としては十分でも容積がないから、フロント2本だけでは音楽として成り立たせるのは苦しい。結局これが自分の中で最後まで納得できなかったのです。後々サブウーハーを足すとしても、やはりそれ本体だけで成り立っていないと、ね。
KEFの対立候補としていたのがPMCでした。
なぜPMCなのか。
DB1(左写真)という現行スピーカーとAE1を含めた各種スピーカーを複数回、複数場所で聴き比べたところ、一番押し出しがよい。若干暗いながらもカラッと鳴る。口元が空間にポッと浮かぶのではなく、音像がすっと立つイメージなわけ。搭載されたトランスミッションラインというバックロード・ホーン・ライクが、自称長岡派の魂をくすぐるのかしらん。手元のAE2Signetureとは似ても似つかないけど、趣向としては悪くない。
DB1なら重さも5kgだし、高さも290mm程だから適当だったんだよねぇ・・・。悩みながらもDB1SM(スプレーフィニッシュ)、定価115,000円を購入対象に決め、見積もりを出しました。現行品だから中古は期待できないし、人に調教されつくしたスピーカーというのはどうもなあ。だいたいスピーカーはオーディオの魂だぞ。
金額的にはペア80,000円、全て込みで約84,000円という店が多いみたい。84,000円か、結構するねえ。試聴店での購入を決意し、一息つきながら、久しぶりのweb巡り・・・そこで目に飛び込んできたのは、
「PMC TB1SM 65,000円/pair」の文字。1997年発売で、今はTB2に代替わりした中古とはいえ、DB1の上級機で定価の35%というのはおいしいかも。スペックを見てもDB1よりも下に10Hzも延びてるぅぅぅ。弱いんだなあ、こういうのに。オークションならさらに安く手に入ることも知りつつ、なぜか胸騒ぎがして、会社が終わってから店に向かいました。中古は安ければよいと言うものでもないでしょう。
実は店には65,000円/pairのTB1SMと84,800円/pairのTB1SMあり。安い方は客寄せらしく、外観は同程度。ただユニットがチト違う。荒れている(という表現でいいのか?)方がロット番号が若いのです。ここでどこかで伝え聞いた「ATCだかPMCだかはロットによってユニットの精度が違う」という不確かな記憶が頭をよぎりました。TVサイドに置くわけだし、少しでも綺麗な方がいいんじゃないか、2万円ケチって後で後悔するよりもいいんじゃないか。84,000円ならDB1の見積額と同じじゃないか。ユニットそのものの違いは後々まで尾を引きそうだ。
ようし、高い方を買ったれ!!!
もう心うきうきです。ご発送は、という店員の問いかけにも「いえ、持ち帰ります」と(すぐに接続できるはずもないのに)返答してしまいました。おいおい、片チャン8.5kgもあるのによ。
ひーひー言いながら、会社帰りの背広を着て、鞄を肩にかけ、片手ずつに8.5kgのブツを持って、満員電車に乗るワタシ。
この頃になるともう魔法がとけ始めています。あれ? 俺なんでTB1を買ったんだっけ?
中古なのに。
聴いたこともないのに。
買ったことのない店なのに。
大きさも測ってないのに。
妻の承諾も得ていないのに。
5本揃えられないのに。
スピーカーはオーディオの魂なのに。
半日前までDB1を買おうと思っていたのに。うをォ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!
結局、
妻には「何これっ(怒怒怒怒怒)」と言われ
値段も正しく告げられず、
一回も試聴していない、
高さ40cm弱もある、
重くてつり下げもできない、
AE2Signetureとは全く異なる音調の、(← AEにはこれが合いますと言う店員もいたが・・・)
普通のステレオ・スピーカーを、買ってしまいました。
ふーっ。勢いって怖いねえ。というか、一端買い物モードに入ると、今まで考えていたことが消え失せるな。試聴した2ヶ月間はなんだったの? ま、久々にスピーカー試聴を繰り広げて楽しかったけどさ。
これでマルチチャンネルは・・・TB1 2本、AE2Signeture 2本、111AD 2本、Luna 1本で頭数は足りているので・・・まあ、なんとかなるかと・・・センターチャンネルなんて元々好きじゃないからなくてもいいや。home