home

手軽に銀めっきしてみよう

 なんでもそうですが、付加価値がつくと高くなるでしょ? オーディオ製品はそれが結構顕著。「オーディオ用」というのがすでに付加価値になってますからね。そしてその商品説明文書がもっともらしく、我々も喜んで騙されてしまうわけです。私の経験上、「高価な×××を使用し・・・」とあったときは、それそのものは高くないですね^^ 珍しいか工業用で知られていないかのいずれかです。

 価格のヒエラルキーの手技として「めっき」があります。音の善し悪しは別にして価格的には、

ロジウムめっき > 金めっき > 銀めっき > クロムめっき or 錫めっき

でしょう。フルテックのACインレットも、その価格差は

FI-15 (メッキ無し)   2,500円(現在は発売していません)
Fl-15G(金メッキ)   2,800円
FI-15R(ロジウムメッキ)3,800円

です。こんなに価格に上乗せしなきゃいけないほどたいそうなものかい?

 てなわけで、実験開始だ。

 素材的にはロジウムめっきと金めっきにはあまり興味無し。オーディオといったら、銀、銀でしょう、やっぱり!


 ちょうどに無線と実験誌にイルンゴ製品の特集が組まれたばかり。その中にはめっきについて次のような言葉が並んでいます。

「わざわざ堅牢なロジウムの下に分厚い金メッキ処理が施されているのは、深みのある光沢を出すのというデザイン上の理由だけではなく、ロジウムだけでは音が硬くなるので、軟らかい金を下地にして、制振と表層振動コントロールを行うためである。」
「animate-12Sは、WBTのプラグを一回分解し、パフを掛けて金メッキやニッケルメッキの下地を除去してから、無酸素銅の下地メッキと分厚い銀メッキを施した、イルンゴ独自の改造WBTプラグが投入されている。
「ACインレットプラグも同様に、アースピンと金属ビスが追放され、電極は厚メッキ化されている。」

 なるほど、なるほど。
 まあ、めっきで音質コントロールなどという崇高なことはできないけれど、プラグのめっきだけならなんとかできそうじゃないですか。

 そもそも、オーディオ用ロジウムめっき製品が高いという時点で、自分でめっきしようという発想はあったんですよね。ところが、考えていただけで実行に移せなかったのは、いわゆるイオン化傾向を利用した電気めっきが頭にあったから。これはちょっと大がかりです。免許もあるので、試薬もそろえようとすればできたのですが・・・試薬の少量購入も難しいし、めっきのテクもないので躊躇していました。

 ところが思いも掛けないところから、ヒントが! 彫金を趣味としている人はめっきを自宅ですることがあるそうじゃないですか。

 ちょいと探したら、結構簡単に探すことができました。無電解めっき「The Silver Solution/Sheffco」です。お値段だいたい3,500円くらい。直輸入すれば10ユーロだそうですよ。

 使用方法は超簡単。

 塗るだけ。厚めっきしたければ回数を塗るだけ、です。


 塗るだけ、とはいっても下処理はやったほうがよさそうです。特に脂がついている場合、さびている場合はめっきのノリが違います。
 ちなみに「The Silver Solution」はアルミ、鉄、鉛にはめっきできません。使えるのは、銀、真鍮、銅、青銅などです。プラグ等に使用するには素材的にはまず問題ないはずです。
 必要な材料は彫金屋、または東急ハンズで手に入ります。重曹はスーパーでも売ってますよ。

 

  1. 酸洗い用固形酸剤をぬるま湯に溶かし、中にめっきしたい金属を入れ、きれいになるまで放置する。
  2. 取り出して、重曹で磨き、水洗する。
    → 以上ができない場合は中性洗剤できれいに洗うだけでも可。それも面倒ならば拭くだけでもいいです。
  3. The Silver Solution「The Silver Solution」を塗る、あるいは浸ける。
  4. ふき取っては塗り、ふき取っては塗りを繰り返す。ふき取りづらい箇所は洗い流しても可。
  5. セーム皮とかで拭くとピッカピカ^^

The Silver Solution 例えば、左写真のようにできあがるわけ。右はちょっと磨いた真鍮製、左が「The Silver Solution」で10回ほど塗りを繰り替えしたプラグになります。見た目からしていい気分でしょ。

 本当にめっきなのかどうかについては少々確認してみました。確かに鉄やアルミには塗れない(剥げてしまう)し、液体の色と塗ったときの色(つまり銀色)が明らか に違います。液自体はつやのない白濁色なのです。しかも真鍮に付けると一瞬黒色化しますので、これは酸化還元反応が進むためなのでしょう。

 脱脂&液塗りはさしたる手間ではないので、ニッケルめっきとかのかかっていない安物で行うのがよさそう。わざわざめっきを剥ぐのは面倒です。

 重ね塗り自体は10回以上行った方がよさそうです。しかもケチらずにたっぷりと。 大本に漬けるのはどうかと思いますが、部品が浸る程度の小ビンなら大丈夫でしょう。

 導通は問題なしです。熱を持ったりすることもありません。空気中でさびるかという点については、耐久性はありそうな気がします。酸化銀(AgO2)は黒色ですが、空気中ではその酸化は進みにくいですし、銀食器が黒くなる最大の理由は酸素ではなく硫黄ですよね、確か。

 ACプラグに銀めっきをして音だしはしてみました(DACに使用)。

 例によって結果はよくわかりません^^ 24時間あけても唸るような大きな変化ではなかったということです。1対比較しないとダメですね。
 ただ、妙に気分がいいんですねえ。私の中にはさわやかな風が吹いています。これは精神安定剤としての効果は抜群です。

 簡単にできるので、Fケーブル、XLRプラグのオス、ACインレット、ACプラグやネジまで、目に付いたものをめっきしています。ぼーっとした暇つぶしにもってこいです。3,500円の「The Silver Solution」ですが、飽きるほどたっぷりとありますよ^^

 そうそう、金めっきやロジウムめっき、あるいは白金めっきをしたい方は、東急ハンズで家庭用めっき機が売っています。9,000円〜30,000円くらいです。その気になればなんでもできますね。

(2002/10/15〜22記)


home top