今はなきオーディオ・プリズム社の電源ノイズチェッカー「ノイズ・スニファー」(右図)を買ったことは01/04/08のAudio日記に書きました。スニファー(Sniffer)は、シンナーや麻薬を吸う人という意味ですから、ノイズをネガティブ要因として捕らえた命名なのでしょう。
オーディオショップ店頭でノイズ測定用として使っていたものを定価の半値で譲り受けました。ただし、箱なし&取扱説明書なし、です。詳しいことはインターネットで調べようかと思ったら、オーディオ・プリズム社のホームページってないのね。お陰で雑誌を過去からだいぶ見返す羽目になりました。
でも、この機械にはすごい興味があったんですよね。デジタル・イコライザーであるDG28購入以降、こういった測定器みたいなものがあると、最終的には時間とお金の節約になると気付いたからです。
そしてこういった機器は、直接再生音に関与はしませんが、使ってみると面白い!
私もすっかりはまってしまいました。
ノイズ・スニファーの使用方法は極めて簡単。ノイズ・スニファーから出ているACコードをコンセントに差し込み、差し込んだコンセントに電源ノイズが乗っていれば、本体に付いているスピーカから音として出てくるというものです。音量の調節も自在。
そのブロック図は以下のもののようです(出典はオーディオ・アクセサリー誌 柴崎功氏著より)。

電源周りの重要性について認識してはいるものの、時間帯や聴く音楽で印象が少し違うのも事実。大阪に越してきてからも実験や試聴を繰り返してきたので、その効果を「測定器という耳で」確かめたいじゃないですか。
我が家では単相(交流)3線式の配電線です。単相3線式とは柱上トランスの100V2次巻線を2個直列にして、その接続点と両端の3線で電気を引き込む給電方式。中央の中性線と両端の一方から電気を取り出せば100V、両端から取り出せば200Vとなります。我が家では全て100Vです。
オーディオルームへの給電は簡単に書くと右図のようになります(きちんとした書き方を知らないので許して欲しい。大体こんな感じ)。
図に表記している単相3線式の記載のない上の相はリビングと和室、下の相にオーディオ機器とリビングのエアコン、玄関、水周り(台所&風呂)です。
分電盤でのこの相の割り振りやブレーカの位置は、部屋を決めた段階で決定していますので致し方ない部分があります。ただ、オーディオを置いている6畳間にはエアコン用と一般用のコンセントがありますので、セレクションできたんですよね。
とはいっても、エアコン用のコンセントは天井近くにあるため、機器の設置場所からパワーアンプかDACを接続するに絞られてしまいました。
今(2001年5月現在)、エアコン用にDACをつないでいるのは、ケーブル長という現実的な問題からです。パワーアンプに適していたカルダスのケーブルではエアコン用に届かないんです(早々簡単には買い足せない)。
今回の実験から、本当にそれがよいかどうかは、やはり疑問になってきました。
では実験を開始しましょう。方法は以下の通り簡単です。コンセントや時間も決めた、きちんとしたプロトコルが理想とは思いますが、今回はそこまで追求しないことにしましょう。ただし、後述しますが、実験は全て昼間に行っています。
●オーディオ機器&蛍光灯を外した(オフにした)状態
実はスニファーが家に来た段階で、お遊びでいろいろとオーディオルームのコンセントに差していたんですよ。そうすると、機器をオフにしても、ノイズフィルター(クワイエットライン;右図)を差していても、ものすごいノイズ。やっぱり集合住宅はすごいな、と思っていたら、昼間測るとそうでもないのです。多いはずの昼間のノイズが少ない?
この謎を解くのには時間がかかりました。犯人はインバータ付き蛍光灯でした。夜は蛍光灯を付けるから電源ノイズが多かったんです。(「インバータ付き」というのがミソで、ただの蛍光灯はそうでもない。)
おかげで実験は昼間に行うことになりました。迂闊に蛍光灯を付けられないからです。
オーディオ機器をオフにした状態では、測定器に付いているボリュームを一杯上げても、スピーカーからは少し大きめの「ザーザー」いう音しか聞こえません。
これは非常に不思議な気がします。なぜなら、同相に、リビングのエアコン、玄関、水周り(台所&風呂)の電気器具が常時接続されているからです。ちなみに、洗濯機を回転させても、エアコンを付けても、ノイズの大きさに大きな変化は現れませんでした。回転系はノイズが大きい、冷蔵庫はノイズが大きいという先入観があったのですが、これはどういうことなのでしょう。
冷蔵庫と同じコンセントにノイズ・スニファーを差すと、それなりの大きさとなりますから、考えられることは3つ。
ブレーカーを介すると電源ノイズが減る? 電線の引き回しが長いと電源ノイズが減る? ノイズ・スニファーでは関知できない? さて、真実は如何に?
●オーディオ機器&蛍光灯を取り付けた(オンにした)状態
とりあえず一機種ごとのノイズの大きさを測ってみましょう。機器をコンセントにつないで機器をオン、三つ又コンセントを利用し、隣のコンセントでノイズ・スニファーを用い、ノイズを測定します。
その後、クワイエット・ラインでノイズがどれくらい低減するのか確認してみましょう。ノイズ・スニファーはクワイエット・ラインの販売促進グッズ的な一面を持っているので、効果がないはずはないんですが。
実際はこれらの機器がオンになり、複雑な電源・ノイズ環境の中でオーディオ機器は動作しているわけです。
今回の実験でわかったことは、(1) クワイエットラインの複数個使用は非常に効果的、(2)
電源ケーブルが長いと電源ノイズは低減する、(3) 我が家の電源ノイズ源はデジタル系ではなく、パワーアンプと蛍光灯である、ということ。ということは、機器によってコンセントを分けるならば、デジアナ分離よりもパワーアンプとそれ以外、という分け方の方がいいのかも。
これがわかれば話は簡単。我が家に4個あるクワイエット・ラインを効果的に利用し、機器のコンセントの取り方を再考すればよいのです。
とにかくノイズ源の明らかな蛍光灯にはクワイエット・ラインを咬ませた方がいいみたい(蛍光灯のプラグにACコンセントを付ける変換プラグが売っています)。それとパワーアンプ。あとは押さえとしてプリアンプ、CDトランスポート等のコンセントまたはタップに1個ですね。少なくともこの部屋で3個は必要ということ。
クワイエット・ラインは1個売りなので、複数個試す人は少ないと思いますが、これは余程のピンポイント使用でない限り、複数個導入する方がよいように思います。
ちなみにノイズ低減をうたうコード、タップ、フィルター等々は多いですが、我が家にあるもので「ノイズ・スニファーで感知するノイズを」目に見えて減らした機器はありませんでした(手元にあったのはFP500、ACエナコム、UN-AC1 Single、フェライトコア)。クワイエット・ラインの強力さがわかります。